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　淡雪や竹にしつかに鳥の声　　　　冬李
　鴬の音もおちつくや雨の朝　　　　如風
　うす月や翌日の雨を匂ふ梅　　　　桐雨
　若菜野や風をうしろに摘ありく　　曽秋
　若草に高う成たり橋の縁　　　　　長英
　ぬるみたつ水の氷れる寒サ哉　　　素風

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　畑うつや一鍬つゝに黒うなる　　　呉川
　猫の妻影のちろりと湯殿哉　　　　楚石
　こね土の上や陽炎立のほる　　　　一舟
　干す傘の空に舞けり春の風　　　　松舎
　下萌や鳥のかき出す芥の中　　　　友固
　曇る空柳たらりと夜の明ぬ　　　　梅下
　　
　藪入や宵から髪を結ふて待　　　　尼東照
　取初る瓜もなつなの匂ひ哉　　　　恵川
　ふは／＼とかすみに行や夕烏　　　浮流
　ぬくとさを空にふくむか朧月　　　小目次魚白
　餌を拾ふ小鳥音を□る雲間哉 　　　眠舟
　朝明ハ松も芳し梅の花　　　　　　杜仙

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　陽炎や射垜の的の照かけん　　　　卯雪
　鴬乃音に黙り□り村雀 　　　　　　鬧羅
　足もとの雨にみえたり嫁かはき　　有之
　風智るすから惶し鳳巾　　　　　　勝地倩流
　暖になれハふすほる小家哉　　　　波敷野瓦二
　見てゐれは又巻付し柳哉　　　　　いせ長野文路
　　
　吹風もぬくもる梅の匂ひ哉　　　　宇栗
　かけ合に薮鴬のなく音哉　　　　　俦浜
　　
　文通
　梅か香や街に松のあら木取　　　　いせ田丸山暁
　更る夜の際なき月の朧哉　　　　　吏舡

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　東都にありて
　白壁に見越みころや雪の富士　　　朝雨
　
　子のとし　　　　　井庄梓