新続古今和歌集

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 すゑとをく猶こそあふけ敷島の道よりひろき君かめくみを
   百首哥たてまつりし時竹
          左大臣
 君や今かはらぬ色に契るらん竹の台の万代のかけ
   題しらす   権大納言長家
 池水にうつりしかけの諸共に久しき代まてすまんとそ思
   左大臣家にて池水久澄といふことを
          源満政
 万代といはねをめくる流まて静にすめる庭の池水
   寛治元年大嘗会悠紀方屏風に
   高野村    前中納言匡房
 我君の千世の数かも五月雨の高野の村の軒の玉水
   仁治三年大嘗会悠紀方屏風哥
          前参議為長
 春風は枝もならさす静にてなひくはかりの青柳の村
   永仁六年大嘗会悠紀方屏風に花
   垣里     権大納言俊光
 白妙のゆふとりしてゝ神まつる卯月に匂ふ花垣の里
   暦応元年大嘗会主基方稲舂
   哥      正二位隆教
 万代のためしにそつく田上や秋のはつほのなかひこのいね
   永和元年大嘗会主基方屏風
   備中国松山  権大納言忠光
 十かへりの花さきぬらし松山の木末を高み積る白雪