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(本紙)
梅見
道
□□序
風雲にこゝろをくるはす友ひとり
ふたり大和路や太山の梅林
にうかれ入らむとせしも
梅見月仲の二日也肩に笠打
かけ手に亦杖を曳つり鍚
の霜押ぬくふより明ほのゝ
空ほのめきて聊旅の姿は
くたりけり香に気色し
左に流して行先春光な
らさる處あらし凡塵外を
さること百歩あまり高芝
といへる里を過るに興殊に
勝れたりと両士こゝに時を
うつしぬ
其章
春の日のさすや
友ゆく影法師
長谷
其容
水に連てあるけは果は
すみれ草
白樫の里にて
章
凍解の小道かゝゆる樹木哉
容
霞ますにいるや麓の
家ひとつ
石打を過て漸半道
はかり目当の松あるは
見しれるおのこの行
こふさま太山の梅程
近けれは
香に匂へ梅おもかけの
蕗の薹 章
□道の過たけしきや
里童 容
捨藁に鳥啼春の
水田かな 章
行して真福寺
に至り爰にて昼支度
調へ侍りぬ
漸梅林に分入る万
枝百歩香に咽ふ
こと又いく[はく(見消チ)]
梅香に草臥ふせる
岩間哉
章
かすみとも
ならて一に梅曇
容
○
岩根ふみ分入る方は大和路や
おやまの梅の花の臺に
雅名其章 長正
梅の花咲ぬるうちは鶯の
人なつかしみ啼ける山里
光〓
此里人いり来て道の
案内なといと心よく意
かゝれは持せける酒てふ
ものとふやさせけり
当興に入て梅の古木
折てくれぬ
真柴とる人にそとはめ梅の花
ふるき木ふりのむかし語を
長正
月ヶ瀬の里こと葉
たらすして句なし
帰路
おひたたし見て来た
梅をわすれ鳧
其章
石打村にやすらひしに内にあや
しけなる女の声の聞へ
ぬるもやかて顔さし出した
るをみれは此程まては今
やふめきたる風俗の鄙
ふかくて桃とも桜とも
わかちかたきさまの酒に
ほろよいて人待顔なる
はかの清少納言か色好める
女なとゝ書たるもかゝる人
をやいふならんとおかしさ
のあまりにほ句して去ぬ
ものいへはすくに柳の
曇り哉
其容
茶にも香のする
梅の里ふり[おもむき(見消チ)]
章
歩中即吟
春の日のさすや友行影法師 其章
山を目あてに雲雀見い出す 容
こゝかしこ麦のありたけ東風吹て 章
もそつと肩にたらぬ北窓 容
持かえて接にこほるゝ桶の月 章
秋をこそつていそく蛎わり 容
(貼紙)
月ヶ瀬
□たゆむ春のやま風香をとめて
梅のおほろの月か瀬の里 光〓
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(添紙)
文政四巳年如月仲ノ二日
太山(タヤマ)長引梅見道之記
双井内其容
柳舎其章