原本の画像を見る
忍器四 火器
凡、世上ニ、火器ヲ以テ、忍術之要道之為根
之、為其要、第一、城陣エ入ツテ、堅陣鋭城ヲ
焼亡之徳、第二、不限晝夜、味方ト相圖ヲ合
スル徳、第三ニ、風雨不滅炬火等ヲ以テ、味方
ノ難ヲ救フ徳有リ、能々勘弁シテ、時ニ臨
ミ可用之、当世之忍者ト名を觸ルゝ者、火器
原本の画像を見る
之五三方ヲ知テ、忍術ヲ得タリトス誠ニ
其本源ヲ知ラズ、、枝葉ヲ取ルノ義、雲泥タ
ルコト難ク可シナリ、當流之集海ノ書ニ、
記スル所之本源ハ、陰陽両道之深理ヲ以
テ、容易ニ敵之陣城エ忍ヒ入、自然ニ敵ヲ
挫ク事ヲ大要トス、孫子曰、軍術之中火
攻ハ下策ナリト雖然不得止事則用之、故
ニ此書之末ニ備ル者也、
原本の画像を見る
狼煙方
塩硝十三匁 硫黄一分 灰二匁
右、鉄炮ノ薬ノ如ク合シ、竹ノ筒ニ込能ク
打コミ、玉ヲ亦、能々打コミタルカ吉、少シ
モ、クツロキ有シハ、竹ワルゝナリ、
不眠薬之方
鷹ノ糞ノ、白キ所ハカリヲ取テ、臍ニ入レ、
紙ニテ、上ヲハリテ居レバ、眠ラズト云云、
アハウ薬之方
麻ノ葉、曰ニ干テ末ニ〆、薄茶三服ホド用レ
ハ、心ウツケ、アハウニ成ルト云云、麻ノ葉
ハ、七月ニ取テ吉、
中蝋燭之方
常ノ蝋燭ノシンノ中ヘ、水銀ヲ入テ火ヲ付、
上ニ、木之枝ナリトモ有所ニテ、火サキヲ木
ニツケテ、ソロ/\トオロセハ、中ニテトゝ
マリトモルナリ
原本の画像を見る
打炬火
硝十匁 硫二匁 灰同 生五匁 松脂一匁〇 松
引粉七匁 鼠糞二匁
右竹筒ノ、廻リ二寸九分、長サ五寸、一方ニ
一ニヲコメ臺尻長サ四寸鳥ノ舌ノ如クハ角ニシテハガ子ニテ廿五字アリ
フシ吉、右ノ薬、何モ末ニ〆、筒ニ強ク打込ミ、
竹ヲ薄ク削リ、上ヲ紙ニテ張リ、用之、
飛松明 是ヲ大國火矢トモ云
硝廿三匁 硫五匁 灰六匁 鼠糞四分 生脳三
分 鉄砂二匁
右、道明寺ホドニシテ、矢尺、長サ四尺二寸、
筈ノ方九寸、羽長六寸、筒ノ長六寸、右ノ薬
ヲ能合、筒へ強クツキ込、口薬ヲ、コウヨリ
ニ〆、火を付如圖、
矢長四尺二寸
根ハ鳥ノ舌吉、二寸四五分 羽長九寸吉、大鳥羽
筒長六寸 ―
口薬
竹ツゝ内廣サ六寸 八ツ根ハ、一尺目ニテ、八寸計コウハイ吉
クツマキノキハヲ、コブツノ、タチノヤウナル物ヲ、コシラヘ、ノセテ吉、