木造十一面観音立像
【指定区分】 | 国指定 |
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【種別】 | 彫刻 |
【所在地】 | 島ヶ原 |
【指定年月日】 | 明治37年8月29日 |
解説
一木造。頭部に天冠台を着け、面部は豊顔木眼で白毫を持たず、極めて神秘的な面相をしている。手は3対で、第1対の左手は臂を曲げて蓮華を持ち、右手も同じく臂を曲げて施無畏の印を結んでいる。第2対の左手は下に伸びて水瓶を持ち、右手も同様に下に伸びて念珠を持っている。第3対の左手は外方に臂を曲げて三鈷戟を取り、右手も同様に外方に臂を曲げて宝棒を持っている。体躯は豊かで、姿は端麗荘厳である。本像は十一面観音立像としては珍しく六臂であるうえに裳が2段に折れ返り、その上に2段に天衣を付けている点や、両足首に飾りを付けている点など、他にあまり類例を見ない。平安後期の作と考えられるが、前代の古い様相を残す仏像である。