御墓山窯跡出土宮殿形陶製品

御墓山窯跡出土宮殿形陶製品
テーマ壬申の乱と古代の伊賀
見どころ・解説 御墓山窯跡出土宮殿形陶製品は、国史跡御墓山古墳の南側にある飛鳥時代から奈良時代にかけての須恵器の窯跡から出土した、法隆寺玉虫厨子と類似した陶製品です。入母屋の屋根部と軸部が一体焼成された、高さ90㎝、軒先の幅・奥行きがともに約62㎝のものです。棟上にはやや大振りな鴟尾が載り、軒先の四隅には風鐸のようなものを差す孔が穿たれています。また、軒下には簡略化した組物の表現も見られます。正面には入口と、その四周に枠が設けられていて、枠には木製の扉を付けられるよう片側に扉軸の孔があります。底部は開いていますが、基底部は基壇を意識して幅広くなっています。同時に出土した須恵器から7世紀後半のものと考えられ、この時期みられる金銅仏などを安置して礼拝するために製作されたと考えられます。伊賀における仏教文化の広がりを知るだけでなく全国的にも貴重な資料です。
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