下郡遺跡出土木簡

下郡遺跡出土木簡
テーマ壬申の乱と古代の伊賀
見どころ・解説 下郡は、隣接する上郡とともに古代の郡衙が所在した地域として知られ、下郡遺跡は伊賀市のほぼ中央、木津川左岸の沖積地に広がる弥生時代から近世にかけての複合遺跡です。
 河川改修に伴う発掘調査で見つかった井戸から、奈良時代から平安時代の土器とともに、「延暦」の年号が記された木簡が出土しました。木簡は、全長26.2㎝、最大幅2.7㎝、厚さ0.3㎝で、記された墨書は「沓縫阿備麻呂」の人名と租税に関わる「出可租稲七束四把四分 延暦□□四月」と判読でき、延暦2~10年(783~791)または20年(801)のものと推定されています。記載された内容から沓縫阿備麻呂が郡司に収めた租税の記録である可能性が高いと考えられています。
 木簡は、奈良市の平城京跡での出土が多く広く知られていますが、地方において出土する事例は限られており、加えて地方行政に関連することが記された資料として貴重であり、律令期の郡衙の所在地であることを裏付ける資料といえます。
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