猪田神社(猪田)

猪田神社(猪田)
テーマ伊賀の寺社建築
見どころ・解説 猪田神社は、伊賀市のほぼ中央、木津川左岸の盆地を北に見下ろすところに位置し、本殿は、丘陵から派生する尾根の西側に西面して建てられています。
 本殿の構造は、一間社流造、屋根は檜皮葺きで向拝と浜縁が付き、身舎の柱間は桁行8尺5寸5分、梁間7尺4寸4分です。正面は板唐戸、両側面と背面は横板壁で、三方に縁が廻り、背面柱筋に揃えて脇障子があります。板唐戸の内側には昇り龍と下り龍の丸彫が全身に金箔を押した姿で取り付けられています。屋根は二重軒付の檜皮葺きで垂木は二軒繁垂木です。柱上の組物は、斗と肘木を重ねた出三斗、桁行方向のみ連三斗、正面の蟇股は、2頭の唐獅子を浮彫にしたもの、両側の妻は巻斗を載せず、虹梁の荷重を受けない装飾的な蟇股で県内に類例のない珍しいものです。画題は、右側面が宝袋と3人の童子を従えた布袋風の大男、左側面が宝袋、米俵、小槌、鯛に囲まれた酒盛りする2人の人物です。彩色は、柱や縁、軒裏の垂木などは朱塗、壁面は白色となっていて、斗組、蟇股、大瓶束のみ極彩色を施しています。当社には大永7年(1527)の棟札のほか、天正18年(1590)のものなどが伝えられ、本殿は、建築様式と合わせて桃山時代を下らないものとされています。
所在地
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猪田神社(猪田) 所在地
上野エリア 猪田神社(猪田)
現況写真・図面
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