愛宕神社

愛宕神社
テーマ伊賀の寺社建築
見どころ・解説 上野城下町の南端にある小丘陵に位置する火伏の神社です。城下の北側にある上野城から、中之立町通を南下すると、城郭の正面に鎮座します。当社は、元和2年(1616)に藤堂高虎が大檀那、猪田山出の修験者小天狗清蔵が本願となって勝軍地蔵を勧請したことに始まりますが、この場所には勝軍地蔵の勧請前に小天狗が創建した愛宕山教雲院(のちの大福寺)がありました。神社の本殿が上野城に側面を見せる形で東向きに造られ、鳥居や参道が東側にあるのは、この高虎による城下町建設以前にあった教雲院の名残とされます。
 本殿は桁行5間、梁間2間の入母屋造、平入りの銅板葺きです。三間向拝で中央の一間が軒唐破風となる大きなもので、軒唐派風や頭貫の獣面の木鼻、天井画など、華やかな建物です。正面は、各柱間に幣軸を構えて板唐戸五扉を吊り、側面と背面は横板壁で、背面を除く三方に縁が廻り、背面の柱筋に揃えて脇障子があります。屋根は二重軒付の銅板葺きで垂木は二軒繁垂木です。身舎の柱上の組物は、出三斗とし、蟇股は実在・架空のさまざまな動物の透彫を施し、四隅の柱上部からはいすれも獣面木鼻が突き出ています。三間向拝は、中央一間が唐破風、中備の蟇股は、向かって左から仙人、龍、紅葉に鹿となっています。
 なお、境内にある忍之社(忍者神社)は、平成28年(2016)4月に鎮座した新しい神社です。日本建国の折に神々の世界と下界を行き来し情報を集めたとされる忍びの先人、雉子の御霊、天正伊賀の乱で焼亡した寺社の復興に努めた小天狗を祭神として祀っています。
所在地
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愛宕神社 所在地
上野エリア 愛宕神社
現況写真・図面
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関連資料
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愛宕神社本殿
附棟札