栄楽館

栄楽館
テーマ伊賀の近代建築
見どころ・解説 上野市街地のほぼ中央、上野相生町にある栄楽館は、江戸期の生薬問屋を改造して明治6年(1873)に料亭「栄楽亭」として開業しました。昭和初期には、野口雨情・中山晋平も訪れた老舗でしたが、昭和58年(1983)に廃業、その後市に寄贈されて改修ののち、平成7年(1995)に生涯学習施設として活用され、令和2年(2020)からは改修されて宿泊施設となっています。
 東棟は、木造2階建て寄棟造、桟瓦葺。数寄屋風の造りで瓦にはかつての所有者であった「荒木」の銘が見られます。1階は、中庭に面して10畳と13畳の2部屋、2階は23畳の大広間で、西と北の廻り縁からは階下の庭を眺めることができます。
 南棟は木造2階建てで、南東に続く離れも含めて1階には6畳の4部屋、2階に10畳と8畳の2部屋あり、各部屋の建具には竹と扇をモチーフにした意匠が各所に表現されています。蔵は間口5.9m、奥行き4.2m、切妻造2階建て、西側に入口があり、入口の左右はなまこ壁となっています。
 なお、通りに面した北側には、切り石を土台にした背の高い土塀があり、西寄りに瓦葺きの庇のある門が開きます。中庭には松・杉などの樹木、上野城の石垣であったと伝えられる矢穴の残る石材も見られます。
所在地
(クリックすると地図表示)
栄楽館 所在地
上野エリア 栄楽館
現況写真・図面
(クリックすると拡大表示)