解題・説明
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寄木造、頭部は螺髪を表し、肉髻珠と白毫を表す。来迎印を結び、衲衣を偏袒右肩に着し、右足を上に結跏趺坐する阿弥陀如来坐像である。当寺の薬師如来像(県指定文化財)と比べて小さめな頭部、小粒の螺髪をもち、より都風の整った頭体比率の像だが、衣文がやや硬化するなど平安末期、12世紀末に入っての作とみられる。光背に元禄4年(1691)の銘があり、その頃の修理によって当初の漆箔の上に泥地・金泥(肉身部)、漆箔(着衣部)が施されている。頭体幹部の前面が左右2材、後面1材の寄木造とみられ、寺伝では元は仏性寺に安置されていたと伝わる。
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