箱式石棺
飯塚市勢田に所在し、庄内川に向かって南東から延びる標高約30mの丘陵先端部に立地する。昭和60年度、開発工事に伴い旧頴田町教育委員会が主体となって発掘調査を実施した。
墳丘については既に削平されていたため、墳形・規模については不明である。
埋葬主体部は箱式石棺で、石棺の規模は、内法で長さ2.1m、幅は頭位側0.4m、足位側0.3mで中央部0.47mとやや中膨らみとなる。石棺内からは人骨1体と仿製変形四神鏡1面、ガラス玉60点、水晶玉2点が出土した。人骨は鑑定の結果、熟年女性であることが明らかとなった。この被葬者の胸部に当たる位置で鏡背面を上にした状態で出土した仿製変形四神鏡は、面径9.3cm、重さ96.9gを測る。
古墳の築造時期は5世紀代とみられる。
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