1号横穴墓 奥壁 人物線刻画
飯塚市佐與に所在し、庄内川左岸の標高約32mの丘陵に立地する。平成7・11・12年度に開発工事に伴い旧頴田町教育委員会が発掘調査を実施した。丘陵頂部では弥生時代の貯蔵穴群が検出され、丘陵頂部の下から古墳時代後期の横穴墓5基が検出された。
1号横穴墓の玄室は平面長方形を呈し、長さ1.1~1.2m、幅2.0~2.1mを測る。立面形はアーチ形を呈する。四壁には床上0.7mで軒下線が、下には排水溝が巡る。奥壁側には屍床があり、排水溝を有している。奥壁には線刻により人物が2体描かれたており、左側の人物は「コケシ状」を呈する。また、左側壁の中央には、軒先線の直下に「回」状の線刻が見られる。盾を表現したものとみられ、その配置からも墓室全体を守護する働きがあると考えられている。線刻壁画を有する横穴墓は市内では唯一であり、遠賀川流域では他に12例存在する。
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