石庖丁未製品
飯塚市立岩に所在する。立岩丘陵の西側縁辺部である標高22mの位置に立地する。立岩遺跡群の中では最も西側に位置している。
本遺跡は昭和8年の採土工事中に発見され、九州帝国大学中山平次郎博士によって「石庖丁製造址」として報告された著名な遺跡である。工房跡は発見されていないが、石庖丁をはじめとする石器とその各製作工程を示す石庖丁未製品が多量に発見されている。昭和56年に、飯塚市教育委員会による発掘調査が実施されている。調査で確認された遺構としては、貯蔵穴40基、井戸状遺構1基、遺物としては弥生土器、石庖丁、石鏃、石剣、石戈、敲石、石斧、砥石、石製把頭飾、鋳型が出土している。出土した石器類の中で、やはり石庖丁の未製品が多く出土している。石製把頭飾は貯蔵穴の堆積土上層から弥生時代中期初頭の土器片とともに出土している。鋳型については砂岩製であるが、出土位置不明である。鋳型として使用後、砥石として再利用され原型を失っており、鋳造品の種類については不明である。
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