1.埋葬施設検出(箱式石棺)
2.埋葬施設 棺内(蓋石撤去後)
飯塚市川津に所在し、笠置山地から派生する古第三紀層からなる川津丘陵上の標高約62mに立地する古墳時代中期の古墳である。同一丘陵上に川津2・3号墳も立地する。平成元年度において公園造成工事に伴い飯塚市教育委員会が発掘調査を実施した。
1号墳は径26m、高さ4.5mの円墳で、墳丘の3分の2は地山整形により築かれている。墳頂部と墳裾から埴輪片が採集され、出土状況から墳頂部に数個体置かれていたものと推定される。周溝は認められない。埋葬主体部は箱式石棺で、石棺内の長さ2m、幅0.57~0.65m、深さ0.5mを測る。蓋石は2枚の砂岩の板石で、外面は鑿で丸く加工され、内面は深さ5cmに長方形に刳り貫いている。一方の蓋石の小口面に縄掛突起状の張り出しが見られる。石棺床面には5cm前後の礫が8cmの厚さに敷かれている。石棺内は全面に赤色顔料が塗られている。石棺の中からは熟年男性の人骨1体分、鉄剣、鉄鉇、石突、鉄鋤、刀子、櫛が出土した。古墳時代中期前半~中頃の築造と考えられる。
平成4年に飯塚市指定史跡となり、学園の森公園内に保存されている。
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