264 郷ノ原遺跡

1.調査区全景(直上から)

1.調査区全景(直上から)

2.甕棺墓検出状況

2.甕棺墓検出状況


 飯塚市大日寺に所在する。遠賀川水系大日寺川の右岸に位置し、龍王山から派生した標高約34mの丘陵上に立地する。平成22・27年度、開発工事に伴い飯塚市教育委員会が発掘調査を実施した。
 調査の結果、貯蔵穴16基、木棺墓14基、土壙墓2基、甕棺墓(成人棺)1基などが確認された。木棺墓・土壙墓からは出土遺物が僅少で時期比定が難しいが、貯蔵穴群については出土遺物より弥生時代前期後半~前期末頃、甕棺墓については甕棺の型式から中期前半頃のものと考えられる。また、甕棺については当地方における大型甕棺導入期のものであり大変貴重な資料となった。
 龍王山麓に所在する同時期の遺跡を概観してみると、集落跡から墓地へという土地利用の変化があることから、本遺跡についても貯蔵穴群の廃棄後に木棺墓、土壙墓、甕棺墓からなる墓域が形成されたと想定された。
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