392 向田遺跡Ⅰ

調査状況(直上から)

調査状況(直上から)


 飯塚市高田に所在し、内住川右岸の河岸段丘上に立地する弥生から古墳時代にかけての複合遺跡である。平成2年度にほ場整備事業に伴い旧穂波町教育委員会が発掘調査を実施した。
 調査の結果、弥生時代中期の竪穴住居跡2棟、弥生時代後期後半~古墳時代初頭の箱式石棺墓28基、古墳時代中期後半~後期前半の古墳(円墳)31基などが確認された。調査区の西側に箱式石棺墓、中央部に古墳というふうに分布しており、箱式石棺墓と古墳の重複はない。7号箱式石棺墓からは被葬者の左肩位から内行花文鏡が出土している。古墳の埋葬主体部は、大きく分類すれば竪穴式石室と竪穴系横口式石室で構成され、古墳相互の重複もなく、出土遺物に大きな時期差もないため5世紀後半~6世紀前半に築造されたものと考えられる。
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