石室入口(前庭部)
飯塚市仁保に所在し、西に延びる主丘陵から南に派生した支丘陵の標高54mの南斜面に築かれている。周辺には5基の古墳が所在しており、仁保古墳群を形成している。昭和42年に庄内中学校郷土部によって石室の発掘調査が実施され、昭和61年に開発工事に伴い旧庄内町教育委員会により石室内部のみの発掘調査が実施されている。
墳丘は復原で径約10m、高さ約2~3m程度の円墳と推定される。葺石や周溝は確認されていない。石室は複室の横穴式石室で全長は6.2mを測る。玄室はやや横長方形の平面で、前室は縦長方形の平面を呈する。玄室の規模は、長さ1.5~1.75m、幅1.75m、高さ1.9mを測る。出土遺物は石室内から須恵器、刀子、金銅製環付足金具(大刀の鞘に付き、環の部分に紐をとおして大刀と腰帯を結ぶための金具)鉄製素環鏡板、鉄鏃、羨道部から墓前祭祀に使用された須恵器が出土している。
築造時期は6世紀末で、7世紀前半まで追葬されたものと推定される。
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