落とし穴(断ち割り)
飯塚市山口に所在し、穂波川の支流である山口川の左岸、標高80m前後の扇状地上に立地する縄文時代と中世の複合遺跡である。
平成9・10年度、農業基盤整備事業に伴い旧筑穂町教育委員会により発掘調査が実施された。調査により縄文時代のものと思われる陥し穴遺構が9基散在して確認された。さらに、規模や形状、堆積土の状況が類似する別の土坑が7基あり、両者を併せると調査区東部に集中している。出土遺物については、縄文時代早期前半頃の刺突文土器がある程度まとまって確認され、当地域における縄文文化の初現を考える上でも貴重な資料となった。
中世の流路跡からは12世紀後半を中心とする土師器などが多量に出土した。また、凸面に斜格子の叩き目を残す平瓦が出土しており注目される。
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