1.調査区全景
2.出土木製品(まないた)
3.出土木製品(槽)
4.出土木製品(鼠返し)
飯塚市川島に所在し、川島古墳群や井手ヶ浦窯跡群が所在する丘陵下の遠賀川に面した標高約15mの谷地に立地している。谷地全体に古墳時代後期の遺物包含層が広がっていた。
遺物については古墳時代後期の土師器や須恵器が多量に出土したが、特筆されることは同時期のものと推定される木製品や種実類が多く出土したことである。木製品については、農具である臼、木錘など、工具である掛矢、紡織具である糸巻き・紡輪、服飾具である連歯下駄、食事具である杓子形を呈するまないた、建築部材である鼠返し、祭祀具である槽・形代などが出土している。また、種実類ではモモの核が多く出土した。遠賀川に面した場所で、祭祀具とされる木製品やモモの核が確認されていることから、本遺跡は古墳時代後期における河川交通に係る水辺の祭祀の場として利用されていたと考えられる。
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