かつて女たちは、仕事着もふだん着も手づくりで、布を織り、染め、仕立てていた。作られたモンペや胴着は、その土地の風土にあった実用性を重んじながらも、生活に密着した機能美をかもし出していた。
モックラ 下伊那郡阿智村清内路 昭和50年10月
山袴(やまはかま)のタッツケ型を下伊那ではモックラという。股下にマチを入れ、わきにあきを作ってゆっくりはけるようになっている。前布と後布にそれぞれひもをつけて腰で結ぶ。男の人も女の人もはく。
足袋の型紙 南箕輪村大泉 昭和30年9月
足袋は足の保温・保護のため、あるいは儀礼にはく。
紺足袋、白足袋などがある。
縞帳 伊那市中央区 昭和36年
手織り縞の小さいきれはしを貼りためてこしらえた見本帳。縞帳はしまぢ(縞地)、縞手本などとも呼ばれ、機織りに精を出した女性の愛情がにじみ出ている。
手織縞 高遠町 昭和42年9月