小麦わらや、山のヤマガヤなどその土地にある材料をつかって、草葺きにしたものが多い。茅は雨に強いうえに湿気に対して通気性が高い。日本家屋は基本的には「暑い夏をいかに涼しく過ごすか」ということと、「雪対策」ということがテーマである。
かいや平入り 伊那市富県下新山 昭和38年9月
かいや民家 伊那市手良 昭和33年6月
カヤ(萱)で茸(ふ)いた寄棟平入(よせむねひらいり)。
この萱屋(かいや)が伊那谷の古い民家。
かやぶきの家 岡谷市川岸 昭和55年
きり上げの屋根 駒ヶ根市中沢徳光地 昭和33年6月
長屋門のある民家 駒ヶ根市東伊那 昭和43年12月
民家の構え 下伊那郡松川村生田 昭和53年11月
母屋、はなれ、生垣そして屋敷林までふくんだ敷地と建物。施設の構成には、日常のくらしと労働のかかわり、水の利用、陽当り、風除けなどが考慮されている。
えんがわ 宮田村 昭和43年7月
縁側は裏の方にはなく表の座敷の方にだけあるといったものがはじめの姿である。その縁側も古くは濡(ぬ)れ縁(えん)であり、家の内と外とをつなぐまことにすばらしい場であった。内でもあり外でもあり、自然の中にある住居といった性格をよく表わしている。