本棟造り

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平面が正方形に近い切妻妻入(きりづまつまい)りの民家。伊那では破風屋(はふや)と呼ばれている。板ぶき石置き屋根が本来の姿だが今ではカワラ・トタンぶきになっている家も多い。一般の民家は長方形だが本棟造りはほとんどが正方形に近い形で間口と奥行の長さがほぼ等しく、八間四方から十間四方ぐらいまでもある。
 戸口を入ると土間になっており、その一方に厩(うまや)があり、多くはこの土間が奥まで通り抜けている。厩の反対側に、座敷が二間ほど横に並び、その後にいろりのある間と常の居間がならび、さらにその後に、寝間・納戸(なんど)などが並ぶといったように使用目的によって三区分されている。
松下家住宅 大鹿村大河原青木 昭和41年1月
中型の本棟(ほんむね)造り。建てられたのは文政3年(1820)頃。幕末の家らしく発達した平面構造をもち、建物の端から端まで通る巨大な材料を使っている。主屋および土蔵が重要文化財。

 
格子のある家 伊那市西町 昭和43年12月

 
中馬宿 飯島町高遠原 昭和31年1月
馬宿には家の中に広い庭(土間)があり、荷物のつけ下ろしができる。大きい馬宿では20~30匹もの馬をつなぐ馬屋を持っていた。