厚い板に厚く土を塗りつけた大壁造りの土蔵-それは穀蔵(こくぐら)として、たんす、長持ち、そのほか大切な物を保管しておく文庫蔵(ぶんこぐら)として、火難や盗難を防ぐためにすばらしい。土蔵には軒先まで壁土を塗ってあるものと、屋根は上へのせただけの造りとある。また、壁土が風雨で落ちるのを防ぐためナマコ壁にしたもの、しぶき除けの板を張ったものなどが見られる。
写真上:土蔵 駒ヶ根市赤穂 昭和46年11月
伊那谷の民家は一般に屋根が広く、白壁と土蔵を持っている家が目につく。その白壁と腰瓦(ナマコ壁)の美しさは何ともいわれないものがある。
土蔵の漆喰(しっくい)塗りの扉 駒ヶ根市赤穂 昭和46年11月
長屋門 伊那市東春近 昭和46年11月
土蔵造り 伊那市美篶 昭和28年4月
天神山の粘土の質が良いので中(なか)塗りだけでも風雨に耐え得る。