私ども(株)図書館流通センターが、指定管理者として和泉市立和泉図書館とシティプラザ図書館を受託して、はや三年が経過いたしました。
　和泉市は、ご承知の通り歴史も古く、市内にはたくさんの史跡が残されております。この「歴史の宝庫」ともいうべき和泉市の図書館の使命として、「郷土資料の収集・保存」というものがありますが、ただ資料を収集し、保存するだけではなく、和泉市の歴史や伝統産業を広く市民に紹介したいという思いから、和泉図書館として、これまで「和泉市郷土学習会」という企画のもと、「和泉市の歴史と伝説」「府中遺跡について」「和泉市のガラス産業について」といったテーマで、伝統文化の紹介、歴史的価値の高い遺跡や文化財の紹介、伝統産業の紹介などに取り組んでまいりました。
　和泉市には多くの郷土史家の立派な著作や民話、聞き語りも残されており、その多くは和泉図書館で所蔵しておりますが、一方で、子ども向けに書かれた「むかしばなし」はあまり残されておりません。そこで今回、和泉図書館のスタッフたちで手分けをし、現存している資料を基に、一年の歳月をかけ、子ども向けの『和泉のむかしばなし』を再話し、出版することにいたしました。
　子どもたちに和泉市の歴史や昔のくらし、風習などに触れてもらう機会として、本書が家庭や学校で活用され、子どもたちが和泉市の文化を再発見できるよう貢献できれば幸いです。
 
　平成二十六年 三月