あとがき

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 「水海道市史」通史編の刊行を計画してから六年、今回漸く上巻を上梓するはこびとなりました。
 当初の出版計画では、通史一巻(原始古代~近現代)としてまとめる予定でしたが、近代・現代資料の未整理から執筆が大幅に遅れやむなく通史編を上・下巻の分冊として公刊することになりました。
 思えばこの六年の歳月は試行錯誤の連続でもありました。調査方法の未熟なこともあって、資料整理に予想外の時間を要し、また、資料収集の段階で重要な史料を充分に咀しゃくすることができず、結果的に執筆者の先生方に二重の負担を強いることになってしまいました。
 特に、古代、中世編においては既存史料が非常に少なく、断片的史料を総合的観点から位置づけ、なおかつ「通史」にまとめあげるために辛苦の労力をはらわれました。
 市民に読まれる「通史」を第一義に心がけたつもりでしたが、具体的史料の不足から、内容が抽象的にならざるを得ない部分もあり、そういう意味では、水海道の歴史を質量において充分に描ききれなかったことはいうまでもありません。しかし、本書が地域の歴史的変遷を少しでも明らかにし、また、地域に生活し地域を考える一つの契機ともなれば長年地域史に携わった研究者にとってこれ以上の喜びはありません。
 最後に、本書の刊行にあたって、史料の閲覧・提供などこころよく御協力いただいた市民の方々や関係諸機関に厚く御礼申し上げます。
                                      〔市史編さん事務局〕