草間碩安政元年六月十六日筑波郡十和村大字川又ニ生ル、父ハ新平母ハのぶ、其先徳川幕吏伊奈半十郎代官タリシ時寛永年中谷和原領旧三万石七拾有余箇村開墾先頭名主ノ一人草間内蔵之助ニ出ヅ、幼ニシテ兄〓平ノ教ヲ受ケ少ニシテ農間独学奮勉セシガ家貧ニシテ志望ヲ達スルヲ許サス、終ニ碌々焢〓ノ身トナリ老後無学翁ト号スル此ニ因由ス、明治十四年三月二十八歳ニシテ筑波郡鹿島村福田庄三郎長女多きト結婚翌十五年十月分籍シテ一家ヲ成ス、爾後数年間村衙ニ職ヲ奉ス、同十九年二月エムシーハリス監督ヨリ受洗基督者トナル、同十九年九月基督教ノ伝道者タラント欲シ年三十三歳ニシテ東京青山学院神学部ニ入学、同二十年夏期休暇帰郷中奮テ伝道ヲ試ミシニ数十名ノ求道者起リ同年十二月我カ生家ニシテ姪ナル草間つた邸内ニ基督教会堂ヲ建設スルニ至レリ、是ゾ茨城県下ニ於ケル開教ノ創始ナリキ、同二十一年六月眼疾ヲ患ヒ休学帰郷、爾後十有余年間郷土川又及ビ水海道地方ノ伝導ニ従事、同三十二年四月時勢ニ感ズル処アリ四十六歳ニシテ再ビ東京青山学院神学部ニ入学二年間修学同三十四年四月ヨリ千葉愛知及ビ福井等ノ諸県下ニ転々伝道ニ従事、明治四十五年一月辞職帰郷シ爾後村衙ニ職ヲ奉ズルコト数年同八年三月草間記右衛門氏村長タリシ時十和村ヨリ子女教育ノ模範者トシテ表彰セラレ火鉢一箇ヲ贈ラル、昭和六年三月息勝也没後遺族咸水海道町ニ転居、同年九月住宅新築竣リ居ヲ現地ニ定ム、同七年八月老躯尚健康ヲ持シ天ヲ楽ミ命ヲ知リ自ラ叙シテ此ノ碑ヲ建ツ年齢七十有九
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔水海道・川又共同墓地内〕