各町村長殿 昭和二十年三月十三日
敵空襲時ニ於ケル情報放送ノ周知方ニ関スル件
敵空襲時ニ於ケルラジオニ依ル情報放送ヲラジオ聴取者以外ノ者ニモ周知セシムルコトハ最近ノ警報ノ発令
方法並ニ真空管不足ニ依ルラジオ聴取可能者ノ減少傾向ニ鑑ミ特ニ必要アリト認メラルルヲ以テ至急左記ニ
例示セルガ如キ措置ヲ講ゼラルヽ様致度
尚省営及私営交通機関ノ停車場ニ於ケル周知方ニ関シテハ運輸通信省ヨリ手配済ノ由ニ付申添候
記
一、普通地域ニ於ケルモノ
ラジオノ設置ナキ家庭ニモ情報放送ヲ聴取シ得ルヨウ部落会、町内会等ニ於テ敵空襲時ハ組内適当ノラジ
オヲ高声ニ戸外ニ向ケ掛ケシムル外、予メ担当者(防火郡長(ママ)、隣組長等ニシテ家庭ニラジオヲ有ス
ルモノノ如キ)ヲ定メ置キ情報放送ノ都度巡回又ハ拡声器若クハメガホン等適当ナル方法ニ依リラジオ施
設ナキ者ニ周知セシムルコト
二、公衆ノ集合スル場所ニ於ケルモノ
公衆ノ集合スル場所(劇場・映画館・公会堂・大商店等)ニ於テハ其ノ管理者ヲシテ拡声器其ノ他適当ナル
方法ニ依リ情報放送ヲ直ニ集合者ニ伝達セシムルコト
三、交通者ノ多キ街路ニ於ケルモノ
市町村又ハ警防団等ヲシテ遊休ノ拡声器其ノ他ノ資材ヲ活用シテ拡声器ヲ施設セシメ又ハ沿道ノラジオ所
有者ヲシテ其ノ設備ノ許ス限リ成ルベク高声ニ街路ニ向ヒ(イ)ラジオヲ掛ケシムルコト等ニ依リ通行者ガ
情報放送ヲ聴取シ得ルヨウ図ルコト
之ガ為拡声器ノ蒐集ニ付速ニ適当ナル措置ヲ講ズルコト
四、一般ニ対スルモノ
既計画ノラジオ班ヲ活用スル外警察署及警防団等ハ前項ノ拡声器其ノ他メガホン等ヲ利用シ情報放送ヲ必
要地域ニ伝達スルコト
〔「昭和二十年度水海道町庶務綴」水海道市役所蔵〕