目次
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第三編 近世
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第二章 領主と村のしくみ
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第二節 支配のしくみと年貢
「おつま」の言い伝え
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この古間木村と大生郷村との境論には、古間木村の「おつま」という女性の話しが伝えられている。今、この「おつま」の墓といわれる小さな墓が、古間木の善福寺の墓地の一画にひっそりとある。
Ⅱ-10図 おつまの墓(善福寺境内)
言い伝えによると、昔古間木村に「おつま」という女性がいて、大生郷村のある家に奉公に出ていた。ところが古間木村と大生郷村との間に土地争いが起ってしまった。この争いで古間木村が敗訴になろうとした時、「おつま」の死をかけた働きによって、古間木村は争いに勝つことができたという。
この「おつま」の話しは伝承であって詳しいことはわからないが、おそらくこれは元禄期におこった古間木村と大生郷村の境論にまつわるものであろうか。