先に述べた主要作物の他に近世後期の畑作物には、棉・葉煙草・大豆・小豆・蕎麦・大根・牛蒡・里芋・きび(黍)・荏・胡麻・もろこし・いんげん・えんどう豆・なす・西瓜・瓜などがあった。これらは商品作物として栽培されていたものもあるが、多くは前栽物として屋敷地内の畑に自給用に栽培されていたものである。また、当町の台地上の畑ではお茶、沼地で蓮根がこの時期に特産物として栽培されていた。
参考までに天保十五年の孫兵衛新田の諸作物の一反当りの播種量は、大豆六升、小豆三升、胡麻二合五勺、大根一合、芋五俵(但し四斗入り)、牛蒡二合、木綿一斗、菜種三合、茄子苗二〇〇〇本(「村鑑明細帳」秋葉光夫家文書)であった。