目次
/
第三編 近世
/
第五章 庶民の生活
/
第四節 晴(ハレ)の生活
村祭り
530 ~ 530 / 1133ページ
近世の農村には、実に様々な神仏が祀られている。それらは多様な性格を示し各種の祭祀形態がとられてきたが、現世利益的な村の安全を守護する祭祀と、死者・先祖の供養とがその中核に位置しているといえよう。このうち後者の死者・先祖供養は、近世前期の寺請制にもとづく寺檀関係が一般化したことによって、死者・先祖に対する祭祀の観念が一層強められ、益々盛んになったものであり、主として家を中心に祭祀が営まれてきたところに特色の一つがある。