Ⅴ-16図 柳樽
祝言は、昼頃に婿・仲人・婿方親戚などが嫁方に行くムカエダル(ゲンザンともいう)という儀礼と、嫁入りとの二段に分かれている。嫁は婿方に着くと母屋の入口で婿・嫁双方の提灯を取り替えるチョウチントッカエがあり、姑・仲人のもつ菅笠をくぐって母屋に入った。祝言はアイサカズキ(三三九度)が終って祝宴に入るが、祝宴の終る頃には夜が明けることが少なくなかった。翌日には鎮守へ参拝し、ウチヒロメと称して近所の人たちを招くこともあり、数日後には親戚、本分家関係の間柄の家が、嫁を招待するヨメヨビがある。