葬式の手伝いや親戚への使いは、先に述べたように近隣、組合の家が行ない、墓穴を掘り棺をかつぐロクドウは、村内で順番が決まっていたようである。人が死亡すると北枕にねかせ、魔除けのために刃物をのせ、枕ダンゴを供える。湯灌、納棺、葬儀、出棺となるが、出棺に際しては四ツ割の竹の門をくぐらせ、その際に籠をホウキで掃きだすものであった。
墓までの葬列は、露払い・ワラワサ(松明)、ツクイモチ、六地蔵、天蓋、花籠、僧侶、棺、位牌、供膳、親戚、念仏衆の順序であったという。
墓は土葬が一般的で、棺もタテガンであった。けれども浄土真宗の家では火葬が行なわれ、若宮戸の常光寺境内、蔵持などでは埋葬地と墓碑を立てる場所が異なる両墓制であった。葬式の後には初七日・三五日・四九日・一〇〇か日・一セキ・三年・一三年・三三年と死者の供養が行なわれてきた。