天狗党の乱

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幕末維新史の好スタートをきり、徳川斉昭と彼を支えた会沢正志斉、藤田東湖らの存在があったがため、時代の先頭を走りぬいてきた水戸藩だが、元治元年(一八六四)には彼ら三人はすでに他界していた。水戸藩急進尊攘派、水戸藩町奉行田丸稲之衛門・藤田小四郎(東湖の第四子)ら六〇余人は、斉昭の遺志を奉じて尊王攘夷の志実現のため、元治元年三月二十七日に筑波山に挙兵した。関東平野を一望にのぞむ筑波山は、天下の要害の地であり、全山神領で支配者の邪魔が入らぬことから、旗をあげて天下に号令するには格好の地とみられた。