ムラが順調に運営されていくには、各家々の意見調査をはかり、ムラとしての意識を統合し、ムラ全体の利益の向上に導いていくようなリーダーが必要である。
小保川では、東、中、西の各ツボ(坪)の代表者として総代が一名ずついた。総代は町役場との折衝はもちろん、道普請などムラの出役の際には指揮をとった。任期といったものは特別になく、代々有力な家々が交替で役にあたっていた。
そして坪の代表である総代の下には、各組(合)の代表として組長がおかれていた。これは近隣の家々の集まりである組内を、輪番で回っていく役職で、総代への協力や冠婚葬祭における雑事が主な仕事であった。