スコットランド代表が1977(昭和52)年9月と1989(平成元)年5月に、フランス代表が1978(昭和53)年9月と1984(昭和59)年9月に、そして5カ国対抗のメンバーとしては最後の国となったが、ケルトの勇者アイルランド代表が1985(昭和60)年5月とプロ化した2005(平成17)6月にそれぞれ2度来日している。これに2004(平成16)年7月、2006(平成18)年6月と、ここ3年間で2度の来日となったイタリア代表を加えると、かつての5カ国対抗からイタリアの加盟で6カ国対抗になったヨーロッパのラグビー主要国代表すべてがそれぞれ複数回にわたって来日したことになる。イングランド代表の3度は別格としても、イタリアの加盟で5カ国から6カ国対抗となった西ヨーロッパのラグビー主要国すべてが、まだまだラグビーの世界ではマイナーの域から抜け出せない日本に来てくれたわけだが、メディアの発達でテレビの映像など間接的にしか接することのできなかった彼らのラグビーを、技術を、東京で、大阪で居ながらにしてしっかりと肉眼で確かめることのできる喜び、幸せ…。日本は恵まれていると思いつつも、いざ眼前で展開されるメジャーと日本代表との実力差を見せつけられた。
初来日のスコットランドと日本代表の対戦は1試合だったが、そのテストマッチのスコアは74-9と、さきのウェールズ戦での失点82に次ぐワースト記録だった。この点について日本協会強化委員横井久は日本協会機関誌の誌上で「スコットランドが、世界のトップレベルであることは言うまでもない。このチームを迎え撃つ日本は、過去の経験からして、パワーの差を予期しなかったと言えば嘘になる。両チームの力量は、もっと接近していると判断したことに誤りがあった。スコットランドは、集団技に徹底する戦法を見せてくれた。集団技の差が、個々の力の差を更に大きく押し広げた」と分析している。
【第1次スコットランド代表日本ツアー(1977年9月)】
①9月12日(国立=ナイトゲーム)
●早明連合13-59スコットランド代表○
②9月16日(花園)
●日本選抜16-50スコットランド代表○
③9月18日(国立=テストマッチ)
●日本代表9-74スコットランド代表○
【日本代表対戦メンバー】