平成15年9月13日ジャパンラグビートップリーグ開幕。
それまで55回を数えた全国社会人大会を発展的に解消して閉幕した。日本ラグビー界待望の社会人全国リーグ(トップリーグ)の誕生となった。
新日鉄釜石、神戸製鋼の7連覇など、数々の名勝負を残した全国社会人大会ではあったが、「ジャパンラグビートップリーグ創設」は、プロ化の進む世界のラグビーや、その舞台で戦う日本代表チームのレベルアップ。また、国内の競技人口や観客動員数減少から言われる「ラグビー人気回復」など、多くの課題を抱える日本ラグビーの改革となった。
トップリーグ創設には、日本ラグビーの求めるビジョン達成に向けての期待が込められている。同時に日本協会の役割となる全国のラグビー競技の発展への寄与が明確に打ち出されたラグビーリーグである。
1.日本協会の求める理想(ビジョン)
ラグビー競技を誰からも愛され、親しまれ、楽しめる、人気の高いスポーツにする
2.日本協会の使命(ミッション)
日本協会や参加の各地域協会・支部協会、および日本全国の全てのチームが繁栄し、全国にラグビー競技を発展させ、広めていくことができるような環境を整備すること
トップリーグの総則には、ジャパンラグビートップリーグの活動目標が以下のように定められている。
これはトップリーグの役割を宣言し、日本協会の定めるビジョンとミッションを達成するための目標となっている。
トップリーグがこれまでの全国社会人大会のように、地域の強豪チームによる日本一決定の大会という位置づけだけではなく、トップリーグの役割を明確に定め、トップリーグに関わるラグビー協会関係者、チーム、選手、そしてラグビーファンと一体となって、日本ラグビーを「ラグビー競技を誰からも愛され、親しまれ、楽しめる、人気の高いスポーツにする」というビジョンに近づけることを達成することも掲げるラグビーリーグとしている。
1.日本ラグビーのトッププレーヤーを強化する
・強豪チーム同士による切磋琢磨により、プレー水準を高めトッププレーヤーの質を相乗的に高める。また、グローバルレベルで活躍できるプレーヤーの育成を目指す。
・最高峰のリーグで戦うことで、プレーヤー、指導者、その他関係者の意識を向上させる。
2.日本ラグビーの水準向上に貢献する
・リーグで得られる強化ノウハウや戦略・戦術を集約・蓄積し、草の根の普及活動から日本代表強化活動までフィードバックできる仕組みを構築する。
・競技上の戦略・戦術、審判技術やメディカルなどラグビー全般の各種技術レベル向上、および競技運営レベル向上の施策の場として貢献する。
・欧州および南半球の強豪リーグとの交流を積極的にはかることで、日本ラグビー全体のレベル向上に貢献し、世界の強豪リーグに並べて認知され、評価されるリーグを目指す。
3.ラグビーファン拡大への牽引役となる
・「感動を呼ぶ白熱したレベルの高いゲーム」を数多く実施することで、より多くのファンがラグビーを楽しめる環境を提供する。
・トップリーグを通じて、ラグビーの魅力をより多くの人々に認知される機会を増やしていく。
・ラグビー観戦の楽しさを、ダイナミックなプレーを見る興奮、他スポーツとは異なる応援スタイル、魅力ある会場の雰囲気を通じて、人々に伝える。
4.企業のスポーツ振興への貢献、地域との協働によるスポーツ振興を達成する
・チームおよびプレーヤー支援など、企業によるスポーツ振興への貢献を達成できる環境を整備する。
・トップリーグ開催地域、またはチーム活動地域におけるスポーツ文化振興を目指した関係構築活動を支援する。
【基本コンセプト】
トップリーグのシンボル(ロゴ)マークは、リーグの活動目標を表現するシンボルとして、日本最高峰のリーグにふさわしいイメージを持ち、且つ『ジャパンラグビートップリーグ』延いては日本ラグビーフットボール協会のビジョンを表現しています。
【デザインコンセプト】
ダイナミックに、ラグビーの特徴の一つであるスクラムを組んだモチーフは、関係者・選手・ファンなど皆が“協力し合い”“前進する”強さと、全国統一で一つの目標に向かう姿を表しています。また、ロゴ書体は力強いタイプを採用し、変革に向けての“強い意志”を表現しています。
基本カラーはオレンジ・グリーン・ブラックとし、オレンジとグリーンはそれぞれ“大地”と“芝”を表し、地にふんばり大地にまみれて体現するスポーツ、ラグビーを象徴しています。ブラックは、ラグビーというスポーツが持つ“信頼性”“力強さ”を表しています。
また、本シンボルは、皆様に愛されるラグビーの実現を目指す日本ラグビーフットボール協会にとっての“意気込みの象徴”であると同時に、社会・関係者に対し、協会が目指すものを示すものです。