トップリーグ元年より4シーズンを終え、その取組み結果や成果が、数値や記録として見えるようになってきている。
強化と普及という重要課題を担うトップリーグは、それぞれのテーマにおける成果を残すようになってきた。
まず、強化面では開幕以来「全勝優勝なし」という大変顕著な結果が出ている。この結果は、トップリーグ設立当初に定めた活動目標でもある、「強豪チーム同士による切磋琢磨により、プレー水準を高めトッププレーヤーの質を相乗的に高める」ことを達成させる重要な部分であるといえ、チーム曰く「どの試合も手を抜けず、すべての試合も緊張して臨まなければならなくなった」「リーグ戦を勝ち抜くことは、トーナメント戦を勝つより困難である」とまで言われるようになった。
普及面として、一番注目すべき観点として「観客動員数」がある。
トップリーグ元年は、観客動員数の実数把握が完全に出来ていなかったが、初年度の注目とリーグ・チーム関係者の集客努力により26万にもの観客を集め、1会場平均では5400人を数える結果となった。
2シーズン目以降は、観客動員数の実数把握と公式実数発表に取組み、全体の総観客数を落とす結果とはなったが、16年度で平均4500人。17年度で3600人という結果となった。
試合開催会場も年々増加傾向にある。開幕当初全66試合を49会場で消化するスケジュールとなっていたリーグ戦が、3シーズン目には52会場まで拡大。さらに、14チームに増加し全91試合でのリーグ戦となった4シーズン目は、60会場での開催にまで増加した。開催地も24都道府県を数えるまで拡大している。
トップリーグでは「地域密着」「企業スポーツのトップモデルになる」ことをテーマにし、リーグ・開催地域・チームが一体となって取り組むリーグ運営を目指している。
日本最高峰のラグビーを
日本各地で行い、同時にラグビーの素晴らしい文化を開催地で共有していくことは、トップリーグの使命であり、この取組みは開催地の盛り上がりと、観客動員数に影響していくと考えている。
トップリーグ4シーズンでの大きな実績のひとつに、4シーズン目より導入したプレーオフ制度「トップリーグプレーオフトーナメントマイクロソフトカップ」がある。
平成18年2月4日プレーオフファイナルが行われた秩父宮ラグビー場では、近年での秩父宮ラグビー場最高の観客数23,067人を数え、超満員での観客のなかで決勝戦を迎えた。
決勝戦として相応しい白熱した好ゲームとなった対戦は、リーグ戦を1位で通過した
東芝ブレイブルーパスが、リーグ戦2位の
サントリーに終始圧倒される展開。後半終了直前のロスタイムでの
東芝逆転トライという劇的な幕切れは、
東芝のファンのみならず、秩父宮ラグビー場でその瞬間を見届けた多くのラグビーファンを魅了したに違いない。この超満員での決勝戦開催は、ここ数年でのトップリーグの取組み成果のひとつを出せたといえる。