はじめに


 2019年にこの日本でラグビーワールドカップ(RWC2019)が開催される。日本ラグビーはRWC2019の開催国として名乗りを上げ、2009年にその権利を獲得した。ラグビーに携わった人間にとっては夢の大会であり、大会史上初のアジアでの開催国として、果たすべき役割は極めて大きいものである。
 2016年の夏季オリンピックからは、7人制ラグビーが正式種目として採用されており、2013年には2020年の夏季オリンピック・パラリンピック(2020TOKYOオリパラ)の東京開催も決定している。日本のラグビーは、RWC2019そして2020TOKYOオリパラという世界の大舞台で、その実力が試される機会を得たことになる。その胸の高鳴り、期待感の一方で、日本ラグビーは、プロ化の一途をたどる世界のラグビー強豪国から大きく水をあけられ続けたことを認めざるを得ない。ラグビー日本代表(ジャパン)は過去すべてのワールドカップに出場しているものの予選で敗退しており、過去には大学選手権や日本選手権の決勝で国立競技場を超満員に埋め尽くした国内のラグビーは、観客動員やメディア露出が減少の傾向にある。
 世界では、「スーパーラグビー」に代表されるように、各国の代表選手同士がという世界最高峰のリーグで凌ぎを削り、実力に磨きをかけている。日本ラグビーが再び隆盛に向かうには、RWC2019において是が非でも好成績を収める必要がある。こういった背景をもとに、我が国における世界水準のラグビーを展開させる打開策がスーパーラグビーへの参戦であった。