スーパーラグビーの初年度である2016シーズンの総括として、以下、簡単ではあるが、いくつかの報告をする。
(1)チームスタッフおよび選手
2016シーズンのチームスタッフと選手一覧を表2と表3にまとめた。あわせて、2016チームの合同写真を掲載する(写真1)。スタッフは、田村誠ジェネラルマネージャーおよびマーク・ハメットヘッドコーチを中心に構成された。選手は国内外のトップ選手を中心に55人が名を連ねた。
役職 | 名前 | 所属 |
ジェネラルマネージャー | 田村 誠 | 一般社団法人ジャパンエスアール |
ヘッドコーチ | マーク ハメット | 一般社団法人ジャパンエスアール |
アシスタントコーチ (FWコーチ) | フィロ ティアティア | 一般社団法人ジャパンエスアール |
アシスタントコーチ (DF/カウンターアタックコーチ) | ネイサン メイジャー | 一般社団法人ジャパンエスアール |
アシスタントコーチ (バックス/スキルコーチ) | 田邉 淳 | パナソニック ワイルドナイツ |
ヘッドストレングス&コンディショニングコーチ | ウェイン テイラー | 豊田自動織機シャトルズ |
ヘッドアスレティックトレーナー | 井澤 秀典 | 株式会社ドーム |
アナリスト | クリス・ミルステッド | 一般社団法人ジャパンエスアール |
チームドクター | 坂根 正孝 | 筑波学園病院整形外科 |
チームドクター | 田中 誠人 | 大阪警察病院整形外科 |
チームドクター | 村上 秀孝 | 村上外科病院 (久留米大学整形外科) |
ディレクター | 田中 勝悟 | 一般社団法人ジャパンエスアール |
チームマネージャー | 谷田 信太朗 | 一般社団法人ジャパンエスアール |
アシスタントチームマネージャー | 豊田 直樹 | 一般社団法人ジャパンエスアール |
(2)2016シーズンのスケジュールおよび結果
スーパーラグビー2016シーズンは、2016年2月26日から第1節の試合が行われ、17節15試合のレギュラーシーズンの火蓋が切って落とされた。2016シーズンパンフレットより一部抜粋してスケジュールを掲載する(図3)。
サンウルブズは2月27日、本拠地である秩父宮ラグビー場において南アフリカからライオンズを迎えての初戦を戦った。サンウルブズのレギュラー15試合の勝敗は表4の通り1勝13敗1引き分けであった。293得点に対し、失点は 627点で得失点差はマイナス334点、勝ち点は9ポイントで所属する南アフリカカンファレンスの4位となり、プレーオフ進出はならなかった。この間、サンウルブズは、4回の遠征を行い、延遠征日数は63日に及んだ。なお試合風景写真を掲載する。ご参照されたい(写真2から写真5)。
節:試合日 | ホーム試合:得点 | アウェイ試合:得点 | 場所:スタジアム | 観客数(収容能力) |
第1節:2月27日 | サンウルブズ:13 | ライオンズ:26 | 東京:秩父宮ラグビー場 | 19,894人 (23,000) |
第2節 | BYE | |||
第3節:3月12日 | サンウルブズ:31 | チーターズ:32 | シンガポール:シンガポール国立競技場 | 8,808人 (55,000) |
第4節:3月19日 | サンウルブズ:9 | レベルズ:35 | 東京:秩父宮ラグビー場 | 16,444人 (23,000) |
第5節:3月26日 | サンウルブズ:27 | ブルズ:30 | シンガポール:シンガポール国立競技場 | 7,571人 (55,000) |
第6節:4月4日 | キングス:33 | サンウルブズ:28 | 南ア、ポートエリザベス:ネルソン・マンデラベイ・スタジアム | 5,437人 (46,000) |
第7節:4月8日 | ストーマーズ:46 | サンウルブズ:19 | 南ア、ケープタウン:DHLニューランズスタジアム | 20,383人 (51,900) |
第8節:4月15日 | チーターズ:92 | サンウルブズ:17 | 南ア、ブルームフォンテイン:フリーステートスタジアム | 7,201人 (46,000) |
第9節:4月23日 | サンウルブズ:36 | ジャガーズ:28 | 東京:秩父宮ラグビー場 | 14,940人 (23,000) |
第10節: | BYE | |||
第11節5月7日 | サンウルブズ:21 | フォース:40 | 東京:秩父宮ラグビー場 | 16,885人 (23,000) |
第12節:5月14日 | サンウルブズ:17 | ストーマーズ:17 | シンガポール:シンガポール国立競技場 | 8,479人 (55,000) |
第13節:5月21日 | レッズ:35 | サンウルブズ:25 | 豪、ブリスベーン:サンコープスタジアム | 19,073人 (52,500) |
第14節:5月28日 | ブランビーズ:66 | サンウルブズ:5 | 豪、キャンベラ:GIOスタジアム | 10,479人 (25,000) |
第15節:7月2日 | サンウルブズ:12 | ワラターズ:57 | 東京:秩父宮ラグビー場 | 18,147人 (23,000) |
第16節:7月9日 | ブルズ:50 | サンウルブズ:3 | 南ア、プレトリア:ロフタス・ヴェースフェルト | 人(51,000) |
第17節:7月15日 | シャークス:40 | サンウルブズ:29 | 南ア、ダーバン:グロースポイント・キングスパーク | 人(55,000) |
(3)スタジアム外での取り組み
近年他のスポーツチームでも取り組まれているように、サンウルブズでも遠征先や試合当日など国内外での普及活動や社会貢献活動を実施した。(写真7から写真9)。このような活動は、国際リーグで活動するチームとしての特色を活かし、今後も積極的に取り組んでいきたいと考えている。
また、試合運営の補助や秩父宮ラグビー場の場内整備等の業務をお手伝いいただいているサンウルブズのボランティアスタッフについても紹介したい。ボランティアスタッフの業務は、座席案内、パンフレット・物品の配布・販売、入場者調査から場内清掃まで多岐に渡っている。2016シーズン5試合のボランティアスタッフ数は、延べ561人(登録204人)で、ボランティア活動後に実施したアンケート調査では、参加者の96%が活動に「満足」あるいは「どちらかといえば満足」と回答するなど、有意義な活動であったことがうかがえる。ボランティアスタッフは、イベント運営には重要な戦力だが、参加スタッフにとってもチームと結びつく接点として楽しみを得らえる場となるよう、今後もボランティアスタッフとの取り組みは充実させていきたいと考えている。
サンウルブズを支えるボランティアスタッフは「In Touch」というグループ名で組織化し、サンウルブズの協賛企業であるサイバートラスト社等によるボランティアの本人認証や位置情報確認システムの実証実験を兼ねている。このような取り組みは、RWC2019、2020TOKYOオリパラに向けて、重要なデータになることも期待できるだろう。
最後に、2016シーズンの締めくくりとして、「シーズンエンドパーティ」を開催したことをご報告しておく。2016シーズン最終戦直後の7月18日にスポンサー企業をはじめとする関係諸団体、設立当初からサンウルブズを支えてくださっている「ファウンダーズクラブ」のメンバーなど、支援者の方々への感謝の意を表すため、「シーズンエンドパーティ」を開催した。参加者の合計は、283人と盛大な宴となり、選手およびスタッフ一同が多くの方々と団体のご支援とご声援を受けて、新たな挑戦に挑んだことを改めて感じる時間となった。