2017シーズンは2月25日からスタートしている(表5)。サンウルブズは、第7節を終えた段階で1勝5敗と、秩父宮で1勝を挙げたものの苦しい状況であることは否めない。しかしながら、プロスポーツチームとしては、新しい可能性も見え始めている。2016シーズンに実施したサンウルブズの国内試合の観戦者調査では、女性や若い年代層の観戦者や再観戦がみられた。また、新しい応援スタイルやエンターテインメント性への評価、インターネットを通じたコミュニケーションの広がりなど、新たな観戦文化の構築への足がかりを得たことがうかがわれた。サンウルブズの試合では、強豪チームに挑むサンウルブズへ応援として、「オオカミの遠吠え」がスタンドのあちらこちらから響きわたってくる。自然発生的にもたらされたこの独特の応援スタイルは、僅か一年で定着し、スタジアム全体の一体感と華やかさを創りだしている。選手に関しては、2016シーズンにもまして、RWC2019を見据えて日本代表資格を持ち、今後のジャパンを担っていくであろう若手選手なども加わり、層が厚くなってきている。(表6-1,6-2)
JRFUが創立100周年を迎える2026年、RWC2019や2020TOKYOオリパラのレガシーを国内のラグビーにどのように活用できているだろうか。スーパーラグビーに参戦した我々には課せられた使命は重大である。ラグビーという競技が人々にとって夢や希望であり、明日に続く活力となるため、JSRAはサンウルブズというチームを通じ、挑戦者として、そして革新者として臨む所存である。
(上野裕一)