(1)小学生のラグビー


 小学生のラグビーは、ラグビースクールによって担われ、競技人口が2015年以降増加している。小学生年代の試合は交流を目的とし、全国規模の交流試合はFOR ALLミニラグビーフレンドリーマッチが開催されている。2006年ラグビーマガジン Microsoft CUP”として3支部協会推薦各1チームにより創設された交流試合は、2013年第8回大会から株式会社青南商事の協賛により”SEINANラグビーマガジンCUP”として各支部協会から推薦された4チーム(東北1、関東1、関西1、九州1)参加の交流試合になった。試合は、トップリーグや日本選手権大会の前座として実施され、各支部協会の推薦は、単にラグビーマガジンカップの勝敗によるものではなく、交流の趣旨を踏まえ、プレーヤーのラグビーに取り組む姿勢をもとに行われている。
表5 ミニラグビーフレンドリーマッチ
大会年度月日場所出場チーム数推薦チーム予選大会出場チーム数予選大会出場者数
西暦平成東北関東関西九州
第3回200820平成21年2月8日秩父宮ラグビー場3-世田谷ラグビースクール尼崎ラグビースクール長崎ラグビースクール--
第4回200921平成22年1月31日秩父宮ラグビー場3-世田谷ラグビースクール吹田ラグビースクールかしいヤングラガーズ--
第5回201022平成23年1月31日秩父宮ラグビー場3-高崎ラグビークラブアウル洛南Jr.ラグビーフットボールクラブ筑紫丘ラグビークラブジュニアスクール--
第6回201123平成24年2月26日秩父宮ラグビー場3-高崎ラグビークラブ吹田ラグビースクール中鶴少年ラグビークラブ--
第7回201224平成25年1月27日秩父宮ラグビー場3-世田谷ラグビースクール徳島ラグビースクール筑紫丘ラグビークラブジュニアスクール1101,585
第8回201325平成26年2月9日秩父宮ラグビー場4岩手ブラックナイツワセダクラブラグビースクール東大阪ラグビースクール長崎ラグビースクール1111,835
第9回201426平成27年2月1日秩父宮ラグビー場4宮城ノース相模原ラグビースクール芦屋ラグビースクール鹿児島オールブラックス1221,820
第10回201527平成28年1月31日秩父宮ラグビー場4福島県RS選抜宇都宮ラグビースクール吹田ラグビースクール日向ラグビースクール1131,791
第11回201628平成29年1月29日秩父宮ラグビー場4岩手ブラックナイツ世田谷ラグビースクール三田ラグビークラブジュニア大分舞鶴クラブブラックスジュニア1231,931
第12回201729平成29年12月24日味の素スタジアム4秋田シティーズ常総ジュニアラグビーフットボールクラブキッズラグビーとりみ熊本ラグビースクール1081,736

写真・図表"
FOR ALLミニラグビーフレンドリーマッチ

 各支部協会が主催するジャンボリーは、一大交流大会として位置付き、大変な賑わいを見せている。2017年、関東協会主催菅平ミニラグビージャンボリー交流大会は、プレーヤー1500名、指導者500名、保護者等1000名を数え、兵庫県淡路佐野運動公園多目的広場で行われた関西ミニラグビージャンボリー交流大会にもプレーヤー909名、指導者・保護者等2000名、熊本県国立阿蘇青少年交流の家で行われた九州少年ラグビー交歓会にはプレーヤー321名、指導者100名、保護者等500名が集結した。
 ミニラグビーの競技規則は、2008年以降3回改訂されている。2012年IRB(現WR)競技規則との整合性を図るため、IRB(現WR)競技規則と表記方法や項目番号が統一され、また、低学年、中学年、高学年と年齢別3カテゴリーに分けた記載方法に変更された。これによりIRB(現WR)競技規則に準拠することが明確化されるとともに全国的に統一された競技規則となった。
 2015年、地上にあるボールのキック制限、得点後のキックオフと試合再開のキックにおけるオフサイドライン解消のタイミングが明記された。2018年、WRの競技規則全面書き換えに合わせ条文番号・記号、条文体裁の変更と低学年競技規則について大幅な改定がなされた。2012年以降、競技人数を低学年5名、中学年7名、高学年9名として完全にコンタクトを含む形式でミニラグビーと称して実施されてきたが、低学年については、低学年の対外的試合で採用するゲーム形態をコンタクトの伴わないタグラグビーとすることになった。この改定は、ラグビーの入口においてプレーヤーとその保護者に安心感を与えプレーヤーリクルートを促進するとともに、ランニングプレーとコンタクトせずにボールを継続するプレーを促進し、将来のボール継続にかかわるランニング及びハンドリングスキルの向上を見据えてのものである。1年間の周知徹底期間を設け、翌2019年から全面実施となった。
 2017年、小学生ラグビーのこれまでにない普及状況を鑑み、地域特性を認められてきたミニラグビーのレフリー資格について見直し・検討が開始され、2019年から審判資格制度に位置付けられた全国統一資格として運用されることになった。