平成14年(2002)1月12日 平成13年(2001)度 第38回大学選手権決勝

国立競技場

○関東学大 21-16 早大

関東学大、悲願早大破ってV2

平成13年(2001)度 第38回大学選手権決勝
2002年1月12日 G:国立競技場 R:下井真介 KO 14:00
関東学大 21 16 早大
1 立川 大介(③九州学院) 13 3 1 大江 菊臣(③桐蔭学園)
2 山本  貢(②新田高) 8 13 2 中村 喜徳(④西南学院)
3 山村  亮(②佐賀工) 3 伊藤 雄大(①久我山高)
4 斉藤 泰裕(④青森北高) 1 T 0 4 桑江 崇行(①茨木高)
5 北川 俊澄(③伏見工) 1 G 0 C5 㔫京 泰明(④東筑高)
6 若松 大志(④錦江湾高) 2 PG 1 6 川上 力也(②久我山高)
7 赤井 大介(③大工大高) 0 DG 0 7 上村 康太(③久我山高)
C8 山口 智史(④佐賀工) 8 佐藤 喬輔(④久我山高)
9 春口  翼(④関東学院) 1 T 1 9 田原 耕太郎(④東福岡高)
10 今村 友基(④伏見工) 0 G 1 10 大田尾 竜彦(②佐賀工)
11 水野 弘貴(②東山高) 1 PG 2 11 仲山  聡(③東筑高)
12 榎本 淳平(④保善高) 0 DG 0 12 武川 正敏(④日川高)
13 荒牧  親(④佐賀工) 13 山下 大悟(③桐蔭学園)
14 三宅  敬(③伏見工) 15 13 14 山岡 正典(②天理高)
15 角濱 嘉彦(④東山高) 15 西辻  勤(④御所工)
交代【関】鈴木博貴(②関東学院)⑬、竹山将史(④大島高)⑩、森部拓海(③中村三陽)④、鈴木力(③茗渓学園)⑦ 【早】安藤敬介(④男鹿工)①、柳澤眞(③青山高)⑮、岡本雅史(③早実高)④、羽生憲久(③早実高)⑦

 サンスポの一面には、この見出しの間から春口監督の歓喜の表情が大写しになっている。早大は12年ぶりの王座奪回はならなかったが、1トライ差の熱闘を演じ、復活ぶりを天下に示した。前半2分、13分関東学大荒牧PG成功。19分早大武川PG。26分関東学大のCTB榎本が抜いてトライ(荒牧ゴール)。関東学大13−3早大で前半を折り返す。

 後半9分早大武川PG。15分早大PKから速攻、山岡が中央にトライ(武川ゴール)、13−13の同点に追いつく。18分関東学大荒牧がPGを決めて16−13とリード。27分関東学大ラインアウトから連続攻撃でNo8山口が左隅に飛び込みトライ、21−13と勝利をぐっと引き寄せた。早大はあきらめず38分に武川がPGを決めて16−21と最後の2分に逆転を狙う。関東学大は早大の必死の攻撃をしのぎ、ついに下井レフリーがノーサイドを告げた。

早大、粘り本物 ロスタイム、ゴール10メートル前で笛」、朝日新聞にも復活を認める見出しが踊る。「試合終了直前。早大は同点トライを狙って敵陣左サイドを走る。しかし、ゴール前10メートルでつかまり、ノーサイド。ロスタイムの逆転劇は起こらなかった。前半から再三、トライ寸前まで攻め込んだものの、相手防御の対応が早い。密集からの球出しにてこずり、逸機を繰り返した。『流れを奪われかけたときの集中力は向こうが一枚上でした』と㔫京主将。清宮監督も『あとひとつ球が出ていればという局面が多かった。それが実力の差です』と悔しさをにじませた。頂点には届かなかったが、王者を苦しめたのも事実だ。『今日の試合は大きな財産。今期を変化だとすれば、来期は進化のシーズンにしたい』。就任1年目の清宮監督が復活に手ごたえをつかんだ」(朝日)。

「試合後、ロッカールームで関東学大・春口監督とガッチリ握手を交わした清宮監督。2人の関係は、清宮監督が高校日本代表主将として活躍していたとき、春口監督がフィットネスコーチを務めていたときにさかのぼる。当時の関東学大は弱小チーム。昨春、どん底状態にあった母校の監督を引き受けたとき、理想の姿として真っ先に関東学大が浮かんだ。春(5−57)、夏(22−36)の練習試合で大敗しても、選手ともどもいつかは追いつく気概で鍛えぬき、対抗戦11季ぶりの優勝を全勝で勝ち取った。『ありがとうございます。これからが長いですよ』と清宮監督。『ウチもこれからがスタート。来年も早大と戦うために頑張らないといけない』と返し、静かな火花が散った。今後何年も続く“名勝負物語”のスタートだ」(サンスポ、上野亮治)。

 早大・関東学大時代のふた明けは、大学選手権決勝のベストゲームにふさわしい手に汗握る接戦であった。