平成24年(2012)1月8日 平成23年(2011)度 第48回大学選手権決勝

G:国立競技場

帝京大 15-12 天理大

帝京大、同志社大と並ぶ大学選手権三連覇

平成23年(2011)度 第48回大学選手権決勝
2012年1月8日 G:国立競技場 R:相田 真治 KO 14:00
帝京大 15 12 天理大
1 吉田 康平(④京都成章高) 12 7 1 藤原 丈宏(④天理)
2 白  隆尚(④啓光学園) 3 5 2 芳野  寛(③江の川)
3 前田 龍佑(④上宮太子) 3 金光 大生(③安芸南)
4 ティモシー・ボンド(④クライストチャーチ高) 2 T 1 4 田村 玲一(④天理)
5 ジョシュア・マニング(③STアンドリュース校) 1 G 1 5 上田  聖(④鶴来)
6 大和田 立(②美幌) 0 PG 0 6 唄  圭太(③江の川)
7 松永 浩平(③広島工) 0 DG 0 7 関口 卓雄(④天理)
8 李  聖彰(②東京朝高) 8 山路 和希(④四日市農芸)
9 滑川 剛人(④桐蔭学園) 0 T 1 9 井上 大介(④天理)
C10 森田 佳寿(④御所工) 0 G 0 C10 立川 理道(④天理) 
11 菅谷  優(③柏日体) 1 PG 0 11 木村 和也(④県川口)
12 南橋 直哉(④伏見工) 0 DG 0 12 アイセア・マタアリ・ハベア(④日本航空第二)
13 中村 亮土(②鹿児島実) 13 トニシオ・バイフ(②日本航空石川)
14 伊藤 拓巳(④国学院久我山) 12 9 14 宮前 勇規(③名張西)
15 竹田 宜純(②御所実) 15 塚本 健太(③天理)
交代【帝】小山田岳(④伏見工)⑥、辻井健太(④伏見工)③、小野寛智(③東福岡)⑪ 【天】鈴木心喜(④天理教校学園)⑮、渡部文泰(④天理Ⅱ)⑥、山本昌太(③大阪桐蔭)⑨、松井謙斗(③常翔学園)⑭

 第48回を迎えた全国大学選手権の頂点に立ったのは帝京大学だった。三年連続での優勝は、1982年度から84年度の同志社大学以来の快挙である。

 強力FWの帝京か、高速BKの天理か。トスに勝った帝京が風下を選択して午後2時、天理のキックオフで試合は始まった。帝京の戦い方は徹底していた。天理の高速BKにチャンスボールを与えないよう、自陣の天理ボールラインアウトを避けるため、いきなり30m近くモールを押し込む。このあとも、密集背後からSH滑川剛人のハイパントを多用し、簡単にタッチに出さないように細心の注意を払った。

 天理はSH井上大介がこのボールを確実にキャッチし、冷静な判断からパスを出して切り返した。立川、バイフらがタックラーをかわして次々にゴールラインに迫る。そして前半16分、天理は帝京ゴール前のスクラムから右オープンに展開し、立川とハベアがダミーシザースし、ブラインドサイドから走り込んだWTB木村が先制トライをあげる。今大会で、帝京が初めて許すトライだった。

 帝京のチャンスはその数分後、天理が帝京のハイパント処理にもたつくと、ボールを奪って一気の連続攻撃。ゴール前まで攻め込むと、ラックからNO8李がトライ。ワンチャンスをものにし、7-5と迫った。

 この後も、帝京は強力FWで前進し、機を見てBKを走らせる戦い方に徹したが、天理も粘り強く守り、ボールを奪い返すとBK展開で切り返した。しかし、帝京もなかなか崩れず、32分、天理ゴール前のラインアウトから帝京がモールを押し込み、FL大和田立がトライ。前半は、12-7と帝京がリードして折り返した。

 後半に入って、スコアの動きはこう着する。それでも、互いに持ち味を出し合って観客席を飽きさせることはなかった。31分、天理は、自陣から井上、立川らがボールをつなぎ、最後はLO田村玲一がタックラーを2人、3人とかわしてWTB宮前にパス。12-12の同点に追いついた。

 残り10分も、すさまじい攻防になったが、38分、自陣22ライン付近から攻めた天理がラックで手を使うペナルティ。帝京SO森田佳寿が狙ったPGは、ポストに当たりながら入るという劇的な幕切れ。大黒柱のキャプテンが最後に試合を決めた。

 試合後、岩出雅之監督は、「きょうは、2つのポイントに絞って戦いました。我々の強みを出し、天理の強力BKに強みを出させないこと。想像以上の接戦になりましたが、最後は森田が締めてくれました」と頼もしいキャプテンを称えた。

 森田は、肩、腕、ふくらはぎ、足首と、満足に走れない怪我を抱えていた。森田に負担をかけないよう、全選手が体を張った勝利でもあった。

「一年間ここを目標に取り組んできました。136名の部員、スタッフの思いを、22名の選手が背負って、痛いプレー、きついプレーをし、苦しいときに走った。天理は素晴らしいチームでした。苦しい試合でしたが、あきらめずに戦った結果です」(森田キャプテン)

 天理の小松節夫監督も潔よかった。「お互いの持ち味を出しあった、いい試合でした。小さいながらも頑張ったFW、少ないチャンスでトライをとったBK、よくやってくれました。また強いチームを作って戻ってきたいと思います」