平成30年(2018)1月7日 平成29年(2017)度 第54回大学選手権決勝

写真 機関誌
秩父宮
帝京大 21-20 明治大●
帝京大、明治大の猛攻を強靭な精神力と巧みな試合運びで凌ぎ、九連覇達成
平成29年(2017)度 第54回大学選手権決勝
2018年1月7日 G:秩父宮 R:麻生 彰久 
帝京大2120明治大
1西  和磨(④京都成章)7171久原 綾眞(④佐賀工)
C2堀越 康介(④桐蔭学園)1432朴  成浩(④大阪朝高)
3垣本 竜哉(④大阪桐蔭)3吉岡 大貴(④日向)
4今村 陽良(③東福岡)1T3C4古川  満(④桐蔭学園)
5秋山 大地(③つるぎ)1G15箸本 龍雅(①東福岡)
6古田  凌(④京都成章)0PG06前田  剛(④報徳学園)
7ブロディ・マクカラン(③ハミルトンボーイズ高)0DG07井上  遼(③報徳学園)
8吉田  杏(④大阪桐蔭)8朝長  駿(③長崎北陽台)
9小畑 健太郎(③伏見工)2T09福田 健太(③茗渓学園)
10北村 将大(①御所実)2G010堀米 航平(④流経大柏)
11竹山 晃暉(③御所実)0PG111山村 知也(②報徳学園)
12ニコラス・マクカラン(①ハミルトンボーイズ高)0DG012梶村 祐介(④報徳学園)
13岡田 優輝(④大阪桐蔭)13鶴田  馨(④筑紫)
14木村 朋也(①伏見工)8814高橋 汰地(③常翔学園)
15尾崎 晟也(④伏見工)15山沢 京平(①深谷)
交代【帝】菅原貴人(③御所実)⑥、藤田達成(③東福岡)⑥、岡本慎太郎(③京都成章)①、浅岡俊亮(③京都成章)③ 【明】武井日向(②国学院栃木)②、坂和樹(②明大中野八王子)⑥、松尾将太郎(③東福岡)⑩、齊藤剣(③能代工)①、山崎洋之(②筑紫)⑬、祝原涼介(③桐蔭学園)③

 今季ここまで無敗、大学選手権8連覇中の王者が試練を味わった。明治大学の気迫満点の攻守に立ち上がりから劣勢を強いられ、前半を10点ビハインドで折り返す。後半早々にもPGで追加点を許し、スコアは7-20に。さらに激しく前に出る明治の圧力を受け、自陣ゴール前まで攻め込まれた。
 しかし、ここからが帝京大学の真骨頂だった。50分過ぎ、自陣22メートルライン内で迎えた相手ボールスクラムの場面で、FW8人が一塊になって猛然とプッシュ。相手のペナルティを誘い危機を脱すると、一連の流れからFWの力強い縦突進の連続でたたみかけ、55分にLO秋山大地が左中間に飛び込んで6点差に迫る。
 その後、明治のFW、BK一体となった猛攻にふたたび自陣ゴール前まで押し込まれたが、渾身のタックルで敢然と対抗。相手を上回る気迫でゴールラインを死守すると、明治のサポートが薄くなったところでボールに絡み、ペナルティを獲得する。そこからすかさず速攻を仕掛け、BKが外のスペースを突いて一気に敵陣ゴール前へ。ラックからボールを持ち出したCTB岡田優輝がインゴールに飛び込み、ゴールも決まって逆転に成功した。
 両者が死力を尽くした戦いは終盤まで緊迫した展開が続いたが、帝京の強靭な精神力と巧みな試合運びは揺るがなかった。75分過ぎに敵陣ゴール前でペナルティを得た場面では、PGではなくスクラムを選択。結果的にスコアにはつながらなかったものの、相手をゴール前に釘付けにしながら時計を進めることに成功する。最後は明治の猛反撃を激しいタックルで食い止め、密集戦で鋭くプレッシャーをかけて反則を奪取。タッチに蹴り出し、歓喜の瞬間を迎えた。
 一点差の激闘を振り返り、「本当に楽しい試合でした」と語ったのは帝京大・HO堀越康介主将。「我慢の時間もありましたが、この時間帯も楽しもう、と。この1年やってきたことを、最後までやり切ることができました」と笑顔を見せた。