○早稲田大 45-35 明治大●
令和元年(2019)度 第56回大学選手権決勝 | ||||||
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2020年 1月11日 G:新国立競技場 R: 久保 修平 KO 14:30 | ||||||
早稲田大 | 45 | - | 35 | 明治大 | ||
1 | 久保 優(③筑紫) | 31 | 前 | 0 | 1 | 安 昌豪(④大阪朝高) |
2 | 森島 大智(④早実) | 14 | 後 | 35 | C2 | 武井 日向(④国学院栃木) |
3 | 小林 賢太(②東福岡) | 3 | 笹川 大五(④明大中野) | |||
4 | 三浦 駿平(④秋田中央) | 4 | T | 0 | 4 | 片倉 康瑛(③明大中野) |
5 | 下川 甲嗣(③修猷館) | 4 | G | 0 | 5 | 箸本 龍雅(③東福岡) |
6 | 相良 昌彦(①早実) | 1 | PG | 0 | 6 | 石井 洋介(④桐蔭学園) |
7 | 幸重 天(④大分舞鶴) | 0 | DG | 0 | 7 | 重松 哲大(④札幌山の手) |
8 | 丸尾 崇真(③早実) | 8 | 坂 和樹(④明中八王子) | |||
C9 | 齋藤 直人(④桐蔭学園) | 2 | T | 5 | 9 | 飯沼 蓮(②日川) |
10 | 岸岡 智樹(④東海大仰星) | 2 | G | 5 | 10 | 山沢 京平(③深谷) |
11 | 古賀 由教(③東福岡) | 0 | PG | 0 | 11 | 山﨑 洋之(④筑紫) |
12 | 中野 将伍(④東筑) | 0 | DG | 0 | 12 | 射場 大輔(④常翔学園) |
13 | 長田 智希(②東海大仰星) | 13 | 森 勇登(③東福岡) | |||
14 | 桑山 淳生(④鹿児島実業) | 4 | 反 | 3 | 14 | 山村 和也(④報徳学園) |
15 | 河瀬 諒介(②東海大仰星) | 15 | 雲山 弘貴(②報徳学園) | |||
交代 【明】児玉樹(②秋田工)⑬、柴大河(③久我山高)⑥、石川貴大(③報徳学園)⑪、髙橋広大(③桐蔭学園)⑤【早】梅津友喜(④黒沢尻北)⑪、阿部対我(②早実)③、大崎哲徳(②久我山高)⑦、吉村紘(①東福岡)⑮、中山匠(④成城学園)④、宮武海人(②早大学院)②、横山太一(②久我山高)①、小西泰聖(①桐蔭学園)⑬ | ||||||
昨年12月の早明戦は、37-7で明治の完勝だった。スクラムを押し込んでペナルティを誘い、FWの突破力の差をベースに、ゴール前のラインアウトからのモールで容易にトライを奪った。明治に油断はなかったはずだが、愚直にFW戦を挑むことが確実に勝てる方法と思っていたはずだ。一方の早稲田は、早明戦完敗だっただけに40日間敗因を徹底分析し対策を打ってきた。スクラムは若干劣勢ながらペナルティを犯さずマイボールは確実に確保した。また明治巨漢ロック箸本のタテ突進をダブルタックルでことごとく止め、明治FWに勢いをつけさせなかった。
前半9分SH齋藤のPGの後、早明戦は不出場のCTB中野のタテ突進を絡めて思い切ったオープン展開に出た。12分中野を大外でサポートした丸尾、26分には外展開と見せた中で、長田が思い切ってタテを突き見事にトライを決めた。34分には明治ゴール前のラインアウト・モールにBKメンバーも加わり、明治のお株を奪うかのように森島がトライをあげた。前半終了直前には1年生の相良がトライをあげ早稲田が31-0で前半を終えた。40日前とはあまりにも異なる展開に明治は度肝を抜かれパニック状態になっていたのだろう。ハーフタイムに明治の若き名将である田中監督から的確な指示と檄が飛んだはずだ。
後半に入ると明治は開き直ったかのようにBKの思い切った展開に出た。開始3分FWをおとりに使った見事なBK展開で山村がトライし、反撃の狼煙を上げた。10分早稲田の古賀にトライを返されたが、16分こぼれ球をチャンスにして、山沢をフォローした箸本がトライを返した。BKが展開をしたことにより、個々のFWに焦点が絞り切れず、明治FWが前に出始めた。21分には山沢が早稲田ディフェンスの間隙をついて見事なランを見せトライ。後半29分には山﨑が右ライン際を走りぬいてトライを決め、ライン際からのコンバージョンを山沢が決め28-38の10点差とした。前半で勝負がついたと思われたが、明治の驚異的な反撃により新国立競技場は俄然盛り上がってきた。次に明治が取ればと思われた34分、早稲田が8-9サイドアタックを見せる。スクラムプッシュにかけた明治FWのブレイクが遅れ、走力のある丸尾が走り抜け明治のマークを引きつけWTB桑山にパス、桑山は明治WTBの追走を振り切り、インゴールへ飛び込んだ。これで勝負は決したと思われたが、明治は全く諦める姿勢を見せず、40分にBK展開から雲山が走り切ってトライ。ロスタイムに入っても明治は攻め続け、早稲田も必死でタックルを続けた。2分のロスタイムの激しい攻防の後ノーサイド。喜ぶ早稲田の横で愕然とする明治フィフティーン。前半をもう少し何とかしていればと悔いが残る中で、武井主将を中心に、礼節を忘れず毅然と準優勝杯を受け、場内を一礼して回る明治フィフティーンの態度は立派だった。完敗の早明戦から40日間で立て直し11年ぶりの大学選手権を奪還した早稲田の試合内容も見事であった。