1. はじまりの地“神の国”

Kaminokuni
town

上ノ国町

はじまりの地“の国”

ストーリー

北海道は明治以降の開拓の歴史がよく知られているが、上ノ国町ではそれより古い室町時代から江戸時代の史跡や建造物が多く点在し、まさに松前年代記に“神ノ国”と記されるとおり、北海道の中世史を語るはじまりの地であることを示している。
特に天の川河口周辺は、松前氏の祖とされる武田信広や蠣崎季繁が築いた花沢館跡・洲崎館跡・勝山館跡(史跡上之国館跡)や、北海道最古の民家(重要文化財旧笹浪家住宅)、寺院(重要文化財上國寺本堂)、神社(北海道指定有形文化財上ノ國八幡宮本殿・砂館神社)が集中し、重要文化財を含む勝山館跡出土品から、アイヌと和人の関係性についても改めて注目されている。

A松前氏の繁栄を築いた館跡群

天の川河口周辺に所在する上之国館跡(花沢館跡 洲崎館跡 勝山館跡)は、後の松前氏の祖先にあたる蠣崎氏が拠点を構えた中世城館である。
勝山館跡は、当時の遺構が現地に復元され、併設するガイダンス施設で出土品や模型・映像をみることができる。

Bアイヌと和人の混住

勝山館跡では、発掘調査の成果から館の中に和人とアイヌが混住していたことが明らかとなっている。
重要文化財「北海道上之国勝山館跡出土品」やアイヌ墓は、それらを物語る貴重な資料である。

C北海道最古の建造物群

上國寺本堂や上ノ國八幡宮本殿は、その創建が戦国時代にさかのぼり、旧笹浪家住宅は江戸末期のニシン漁が繁栄した時期に建築されている。道内でも珍しい中世~近世の歴史遺産が凝縮され、北海道史のはじまりを語る上で欠かせない地域となっている。

D蝦夷地の中世を今に伝える舞

上ノ国昔踊りは、戦国時代の戦勝祝いの際に踊ったと伝えられ、武士の重厚さがあふれ出す所作が特徴である。この踊りは、隣町の江差町の「鮫踊り」と所作が似ている。
しかしながら、「鮫踊り」は節を付けた囃子詞を用いるのに対し、「昔踊り」は古来よりの伝承で節無しの囃子詞だけで踊ることとなっている。

関連文化財群を構成するマイ文化財

道の駅もんじゅから見える景色

海底火山によって形成された地形と海と夕日が織りなす秀逸な景観。

上ノ國八幡宮本殿(道指定)

現在の本殿は、元禄 12(1699)年の建立で神社建築として、北海道最古とされる。

旧笹浪家住宅(重文)

5代目の笹浪久右衛門が天保年間に建築したといわれ、北海道最古の民家。

上之国館跡 花沢館跡 洲崎館跡 勝山館跡(史跡)

昭和 52(1977)年に勝山館跡、花沢館が指定され、平成 18(2006)年に洲崎館が指定となったことで統合している。

上ノ国昔踊り

戦いで勝利した際の凱旋踊りとしたことに由来。江差の鮫踊りなどの原型となる。

夷王山神社

祭神は武田信広。永禄元(1560)年の創立といい、松前家の崇敬の念厚く歴代藩主が祖廟詣をした。

勝山館跡ガイダンス施設

勝山館跡の案内施設として、平成 17 年開設された。

武田信廣

勝山館跡の案内施設として、平成 17 年開設された。

上國寺本堂(重文)

現在の本堂は宝暦8(1758)年建立で寺院建築として、北海道最古とされる。

コシャマイン慰霊祭

平成5(1993)年から夷王山で 7 月第一土曜に実施。コシャマインと勝山館のアイヌを慰霊。

北海道上之国勝山館跡出土品(重文)

勝山館の 921 点が指定されている。平成 20(2008)年7月 10 日指定。

夷王山

勝山館の後方にそびえる。

夷王山墳墓群

勝山館の人たちの墓が 600 基程度分布する。

福山街道(歴史の道)

勝山館跡や近世にも使用された道。

上ノ国観音堂

地元の観音講が管理する。

円空作十一面観音立像

北海道で唯一の十一面観音で一番大きい。

円空作 観音座像

摩耗が著しく、首のない円空仏で体の悪い部分を削ったりして煎じたとされる。

円空作阿弥陀如来像

北海道で唯一の阿弥陀如来像。

上之国調査整備センター

文化財の保管・展示・整理施設。

荒神堂跡

勝山館城代の基広の墓。

館神八幡宮跡

勝山館の守護神として文明5(1473)年に創建。

砂館神社本殿

創建は室町時代の寛政3(1462)年に遡る。

関連文化財群 位置図