市史続編の編さん開始にあたって
「より遠くの過去を振り返るほど、より遠くの未来を見通せる」
これは、第二次世界大戦下でイギリスを導いたウィンストン・チャーチルの言葉です。歴史を学び、その記録を後世に遺(のこ)すことは、今を生きる私たちが果たすべき「未来への責任」です。
川西市では、本市の歩みを体系的にまとめた『かわにし 川西市史』を、1974年(昭和49年)から1981年(昭和56年)にかけて全8巻で刊行しています。この市史では、先史時代から多田源氏の発展や多田銀銅山の開発、市制施行を経て1975年(昭和50年)前後に至るまでの変遷が克明に綴(つづ)られています。
あれから約半世紀が経過しました。昭和から平成、そして令和へと時代が移り変わる中で、川西の街並みも、私たちのライフスタイルも大きく変化しました。この激動の時代の記憶を歴史として次世代につなぐため、私たちは新たに「市史続編」の編さんに着手いたします。
今回の続編では、1975年(昭和50年)から2018年(平成30年)までの44年間を対象期間とします。まずはその第一歩として、1994年(平成6年)までの行政の歩みを記録する「行政史」の編さんを開始します。編さんにあたっては、誰もが親しめる分かりやすい表現を心がけるとともに、収集した貴重な史料や文献についてもウェブページなどを活用して積極的に公開していく予定です。
将来的には、行政の記録にとどまらず、市民の皆さまが共に歩んできた生活の変遷、地域社会の移り変わり、そして経済や文化の発展など、多面的な視点から川西の歴史を丁寧に紡いでまいります。
これからの街づくりに何より欠かせないのは、市民一人ひとりの「街への愛着」です。その愛着は、共に眺めた景色や共有した思い出、そして私たちが守り抜いてきた大切な価値や歴史によって育まれます。
新しく編さんされる市史が、市民にとって「大切な何か」を見いだすきっかけとなり、より良い未来を創る礎となることを心から願っています。