【第1次行政改革大綱策定】

 1985年(昭和60年)10月、市は「行政改革大綱」を策定した。1987年(昭和62年)度までの3カ年計画の大綱である。この大綱は、同年3月に伊藤市長を本部長とする川西市行政改革推進本部を設けて検討がスタート。広く市民の声を反映させるため各界からの幅広い有識者で構成する川西市行政改革懇話会[注28]を設置した。

 同年8月には、「川西市行政改革大綱策定にかかる意見書」が川西市行政改革懇話会から市長へ提出された。川西市行政改革推進本部では、この意見書の趣旨を尊重し意見を反映させた大綱の素案を策定後、市議会への説明・質疑などを経て大綱を策定した。策定の翌月11月1日発行の『広報かわにし』第610号では、トップページと第2面で、大綱の概要を次のとおり紹介している[注29]。

表03-06 行政改革大綱 概要
「行政改革大綱」策定の経緯
広く市民の声を市政に反映させるため川西市行政改革懇話会の意見書の趣旨を尊重し、さらに市議会の意見も踏まえて策定したもの
「川西市行政改革大綱策定にかかる意見書」の概要
◆行政改革大綱策定にかかる意見
各種法案の動向をも十分に見極めつつ、行政改革を着実に実践するとともに、行政と市民との円滑な合意に努めながら、年々高度化・多様化する住民ニーズに適切に対処し、”自然と調和のとれた 心豊かで活力ある 住みよい住宅都市”を実現するよう提言
◆総論
行政改革の基本姿勢を「住民福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果をあげる」よう市政を推進していくことと規定。さらに、総合計画の後期基本計画へも大綱の趣旨を反映するよう要請
◆具体論
ア、行政組織運営について 民間でみられる競争原理を導入して、士気の高揚を図り、組織全体としての活性化を図ること
イ、出先機関の整理合理化について 本市の地形上、現在の三行政センターの位置、数は適切である。また、サービスセンターについては、住民が有効に活用できるような位置等を十分に見極めながら、設置するよう検討すること
ウ、外郭団体について 総合機能を持つ法人設立、または、現行法人の拡充で対応すること
エ、職員定数について 法律の規制緩和等を関係機関に働きかけること 繁閑のある職場などは臨時職員・嘱託職員等を弾力的に配置し対処すること
オ、民間委託について 直営・委託のコスト比較において、人件費の構成比がかなりのウェートを占める業務などについては、市民サービスを低下させることなく、機能・実態を考え合わせながら委託化を図ること
カ、公共施設の有効利用について これを阻害している国・県の制度改正要望等を含めて公共施設の有効利用の促進を図ること
キ、地方単独補助金の見直しについて 各種団体の補助金等、その事業の内容、性格などを分類精査し、公益性の観点からその見直しを検討すること
「行政改革大綱」の概要
1.事務事業の見直し
(1)行政の責任領域
 ●行政と住民の役割分担の明確化に努める
 ●行政責任の確保を前提として民間活力を積極的に導入する
 ●適正な範囲での受益者負担を導入する
(2)受益と負担の適正化
 ●使用料・手数料などの見直しは、次の基準で対応
①国の基準を適用(保育料など)②社会経済情勢の動きに合わせて、原則3年ごとに見直し(道路占用料など)③有料化できるものは検討(駐輪場使用料など)
(3)地方単独の施策の選択
 ●昭和61年度から向こう5年間の総合計画後期基本計画の策定は、行政改革の趣旨を反映。実施計画は策定や予算編成は次の方策で行う
  ①優先順位を決める ②全般的な事務事業の見直しをする
(4)広域行政圏の活用
 ●国の「大都市周辺地域振興整備措置要綱」に基づく法定の協議会を設立へ
(5)地方単独補助金の見直し
 ●「納税貯蓄組合補助金」など各種団体等への補助金の交付は「補助効果の見直しを行い、市民福祉の向上に役立つもののみにとどめる」という基本方針を堅持しながら、次の観点から見直し
  ①現在ある補助金などは全庁的に見直す ②新設する補助金などは終期を設定する
2.組織・機構の簡素合理化
(1)組織管理の適正化
 ●機構の簡素化は次の方針で臨む
  ①規模は現状維持 ②設置の目的を達成・終了したものは廃止・統合 ③新設は時限的な設置
(2)出先機関の整理合理化
 ●行政センターは、現在の東谷・多田・川西南の三所体制で
 ●サービスセンターは、必要性の高いところへの設置を検討する
(3)審議会等の合理化
 ●審議会等37機関(①法律に基づくもの12、②条例に基づくもの24、③その他1)の整理合理化は、具体的には次のとおり対応
  ①は、国の法令等の改正に照らし合わせて整理合理化 ②は、その性格、内容、必要性等を精査し整理合理化
 ●新設は極力、現在ある審議会等の活用で対処する
(4)外郭団体の運営
 ●市民福祉、体育、文化など、柔軟で機動的な運営が必要とされる分野などは、外郭団体を積極的に活用する
 ●総合機能を持つ法人の設立や現在の法人の拡充で、新たな行政需要の対応に努める
3.給与の適正化
(1)給料の適正化
 ●給与水準を国に近づけるという考えのもとに適正化
 ●初任給の切り下げ措置を含めて適正化
(2)諸手当の適正化
 ●期末勤勉手当を引き続き適正化
(3)退職手当の適正化
 ●兵庫県市町村職員退職手当組合の中で、引き続き適正化に取り組む
(4)職員給与の公表
 ●職員給与の分かりやすい公表
4.定員管理の適正化
(1)定員管理の適正化
 ●既存施設も含め財団法人等による運営を検討
 ●定年退職に伴う補充を極力回避
 ●繁閑のある職務は臨時職員等を弾力的に配置
(2)職員研修の充実
 ●「組織開発研修」を管理職に重点実施
(3)人事管理の適正化
 ●管理職の役職定年制度などを検討
5.民間委託、OA化等事務改革の推進
(1)民間委託等の推進
 ●以下の業務の委託化を検討する
  ①効率化、経済的効果が期待できるもの(ゴミ収集、し尿収集、公共施設清掃・警備)
  ②民間の専門的知識・技術の活用により効果が期待できるもの(電気設備等保守業務)
  ③住民ニーズへのきめ細かい対応、住民意識の高揚が図れるもの(公共施設の管理運営)
(2)住民基本台帳電子計算化等の推進
 ●住民基本台帳システムのトータル化を推進
(3)OA化の推進
 ●OA機器の導入
(4)事務改善の推進
 ●事務改善員研修を実施
(5)職員提案の推進
 ●職員提案制度の充実
6.会館等公共施設の設置及び管理運営の合理化
 ●複合・併設化や多目的利用の方向を検討
7.水道事業の効率的経営の推進
 ①浄水場の管理体制の改善
 ②漏水調査の充実
 ③職員定数の抑制
 ④水道サービス公社を設立
 ⑤料金改正を検討
8.病院事業の効率的経営の推進
 ①年度途中の欠員不補充
 ②麻酔科標榜
 ③患者給食システムを電算化
 ④機械・備品購入委員会を設置
 ⑤室料差額、診療材料費等の見直し

 

 

【写真03-05】川西市行政改革大綱(当時は手書きの冊子だった)