市立川西病院は、1951年(昭和26年)2月発足の川西町立診療所(小花2丁目)を前身として、1954年(昭和29年)8月の市制施行とともに市立病院と改称したが、当時は木造2階建ての小規模な施設だった。その後、小笠原・初代市長時代に、中央町で新築移転工事が始まり、1968年(昭和43年)4月、鉄筋コンクリート造り5階建て病床数、105床の市立病院が整備された。
しかし、人口の急激な増加、建物自体の老朽化に加え、川西能勢口駅周辺再開発事業に並行して進められていた能勢電鉄の高架化工事によって、病院敷地や病棟の一部が縮小されることが避けられないようになり、移転新築の計画を進めることとなった。1980年(昭和55年)1月には、下表の概要で基本構想がまとまった。
| 医療体制 | 外来診療科 | ①内科②小児科③外科④整形外科⑤産婦人科⑥眼科⑦耳鼻いんこう科⑧放射線科⑨泌尿器科【新設】⑩リハビリテーション科 |
|---|---|---|
| 病棟 病床数275床 |
▽内科(人間ドックを含む)100床 | |
| ▽外科(耳鼻いんこう科・眼科・泌尿器科病床を含む)50床 | ||
| ▽整形外科(リハビリテーション科病床を含む)50床 | ||
| ▽産婦人科(新生児室・分娩室を含む)35床 | ||
| ▽小児科(未熟児サブセンター・小児外科などの病床を含む)40床 | ||
| 診療体制 | 検査部門 | 中央検査室を設置。自動検査機器の導入を積極的に推進 |
| 放射線部門 | 放射線治療は、国立病院など大都市基幹病院に依存。新病院では、診断領域に属する放射線機器の充実に力を注ぐ | |
| 薬剤部門 | 調剤業務の能率化・迅速化のため、極力機械化を図る | |
| 手術部門 | 手術の高度化に対応できるよう、無菌手術室の新設、微小血管の縫合など微小な手術に必要な設備、機器の充実に努める | |
| 中央材料部門 | 作業能率の向上、院内感染の防止に努める | |
| リハビリテーション部門 | 交通事故件数及び老齢人口の増加は、必然的にリハビリテーションを必要とする骨折等の術後患者、脳卒中後遺症患者の増加をもたらしている。リハビリテーション部門の充実のため、機能訓練室等諸施設を拡充 | |
| 重症患者及び未熟児の対策 | 重症患者監視室を各病棟ナースステーションに接続して設置するとともに、未熟児サブセンターを小児病棟のナースステーションに接続して設置 | |
| 人工透析 | 人工透析の実施について検討 | |
| 人間ドック | 予防医学上からも、病院として一歩進んだ取り組みが必要 | |
| 救急医療 | 救急医療の充実は、切実な社会問題。地域の基幹病院として果たす役割を踏まえ、救急医療の任にあたる | |
| 患者給食 | 治療の一環としての食事療法として患者給食を実施。栄養管理や栄養指導を行う | |
| 研究研修体制 | 研究研修の場としての可能な限りの条件整備を実施 | |
| 経営 | 経営の健全化に努め、省力化、合理化、人員の適正配置、収入の増加策など採算性の問題についても十分配慮する | |
| 交通対策 | 患者の利用しやすいような病院への交通体系を整備することが肝要であり、これの十分な対応を図るとともに、自動車での来院者のための専用駐車場を整備 | |
基本構想を踏まえた移転新築計画は、1981年(昭和56年)3月までにまとまり、1981(昭和56年)度に着工、1983年(昭和58年)夏にオープンと広報された[注25]。そして、1983年(昭和58年)9月に竣工式が行われ、10月には、市北部の東畦野5丁目に、下表のとおり新しい市立川西病院としてオープンした。
| 敷地面積 | 1万4,936m² | 本館延べ床面積 | 1万4,491m² | |
|---|---|---|---|---|
| 診療科目 1階・2階 |
全9科目 | |||
| ①内科 ②小児科 ③外科 ④整形外科 ⑤産婦人科 ⑥眼科 ⑦耳鼻いんこう科 ⑧放射線科 ⑨泌尿器科【新設】 | ||||
| 病床283床 3階・4階・5階 |
全283床 | |||
| ▽内科100床 ▽整形外科50床 ▽外科49床 ▽産婦人科35床 ▽小児科41床 ▽重症患者監視室8床 | ||||
| 各診療部門 | 検査部門 | ▽【新設】中央検査室 ▽【導入】全自動分析機、白血球形態分析装置、多項目電解質分析装置 | ||
| 放射線部門 | ▽【導入】全身用X線コンピューター断層診断装置、乳房撮影装置 | |||
| 薬剤部門 | ▽【導入】業務効率化・迅速化のために機械化 | |||
| 手術部門 | ▽【導入】極小部分手術に必要な外科用手術顕微鏡 | |||
| 中央材料部門 | ▽超音波洗浄装置、酸化エチレンガス滅菌装置、高圧蒸気滅菌装置等を完備 | |||
| リハビリテーション部門 | ▽バイナリープール、バスクレーター、オーバーヘッドフレーム等を完備 | |||
| その他特記項目 | ▽【新設】治療浴室 ▽【新設】中央監視室 ▽待合ホールに十分なスペース確保 | |||
なお、新しい市立川西病院が約8㎞離れた北部へ移転したことから、南部の市民の便宜を図るため、旧病院跡地に市立川西病院付属診療所を1984年(昭和59年)6月に開所した。この診療所は、旧病院の病棟と診療棟を解体して、診療棟の一部を改装した鉄筋コンクリート造り平屋建て、延べ床面積615m²の建物で、内科と外科の外来患者を対象として診療を行った。